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2021/07/15

第5話

夏目家の苦難2
杏奈「何これ!?」

杏奈は目の当たりにした光景に絶句した、そこには、右手の拳に真っ赤な血が着いた衛と、そこら辺に倒れているガラの悪そうな同級生達がいたからだ。周りには野次馬が集まっている。

杏奈「衛くん、これ君が!?」

衛「....見たのかよ」

杏奈「っ!」

衛が杏奈を睨み、今にも殴りそうな勢いで近寄り、杏奈は顔面蒼白で後ずさる。野次馬達は助けようともせずにただザワついてばかり。

杏奈「......ごめんっ!」

杏奈は仕方なく、右腕のレイジングを発動させ、衛が死なない程度に腹を殴って気絶させた。

衛「え」

衛は訳も分からず、そのまま杏奈の腕の中で意識を失った。杏奈が野次馬達をキッと睨んで怯ませ、そのままその場を後にした。

男性「おお!衛!」

杏奈「衛くんは見つかりました!」

男性「しかし良く無事だったね💦」

杏奈「ま、まあ」

衛「.......。」

杏奈「それじゃあまた!」

男性「.....っ!待ってくれ!」

杏奈「え?」

男性が杏奈のレイジングに気が付いた瞬間、目の色を変えては杏奈の肩を掴んで引き止めた。

杏奈「な、なんですか!?」

男性「それ、レイジングだろ!」

杏奈「!?何故それを!」

男性「立ち話もなんだ、ちょっと君のご両親に合わせてくれ!」

ー白石家ー

健「やはりそうでしたか、夏目守人さん」

男性「はい」

どうやら、この男性は夏目守人というらしい、ただ、衛とは血の繋がりは無いことがわかり、なにより、杏奈と同じレイジング使いだったことが判明した。

守人「ただ、この子はレイジングを持ちながら、誰かの為より、自分の為に使ってしまって...苛立ちの紛れと、快楽の為に...。」

健「......。」

守人「私の育て方は、間違っていたのでしょうか...」

杏奈「そんなことありません!衛くんには何かしら事情があるんだと思います!私、聞いてみます!彼に何があったのか!」

守人「杏奈ちゃん、気持ちは嬉しいが、これは私達親子の問題だ。」

健「いや、杏奈ならきっと彼を変えてくれますよ♪なんせ、私の娘ですから♪」

守人「.....。」

衛「っ....」

しばらく3人がやり取りをしていると、衛が腹を抑えながら身体を起こす。まだ殴られた痛みが残っているのだと杏奈は申し訳なそうになりながらも彼に近づき、言った。

杏奈「...大丈夫?ごめんね、さっきは咄嗟に殴っちゃって💦」

衛「....てめぇは...さっきの....てか....守人、てめ...ここは何処だ!」

守人「ここは白石さん基、杏奈ちゃんの家さ」

衛「はあ?ここてめぇの家かよ、てかさっきは良くもやってくれやがったな!」

守人「っ!いかん!」

健「待て!ここはあの2人だけで...」

守人「しかし...!」

健「大丈夫、先程言ったでしょう、あの子は私の娘だと!」

守人「......。」

杏奈「やるなら構わない、ただ、外でね」

衛「.....わーった、ボコしてやるよ。」

ー夜の公園ー

2人はブランコや小さな滑り台、砂場などちょっとした遊具がある広めの公園に着いた。今の時間帯なら誰もいないので思う存分暴れられるだろう。

衛「.....さて、覚悟は出来てんだろうな?」

杏奈「覚悟するのは君の方だよ。」

衛「あ?」

指を鳴らしていきがっていた衛に対して、杏奈はいたって恐ろしい程に無表情であった。そして今の発言に少しキレ気味な衛は顬をピクリとさせた。不良特有の気の短さを突かれたのだろう。

杏奈「どうしたの、怖いなら辞めてもいいよ、お姉さん優しいから☆」

衛「やってやるよ、クソアマ!」

衛が怒りに震え、右腕に記されていた青緑の紋章、レイジングを見せつけると、それが光って自身の拳に纏わせ杏奈に向かって走り出した。

杏奈「.....遅いよ」

衛「なっ!?」

杏奈は衛が突き出してきた鉄拳を軽く交わしては腕を掴み、捻りあげてそのまま背中を蹴り倒した。

衛「っ....てめぇ...」

杏奈「....感情的になったって勝てないよ」

衛「舐めんな!」

今度は掌から火炎弾を生成し、連続で杏奈に放つが彼女はそれをまた全て躱し、衛の目の前まで来ると腹に拳を当て、レイジングを発動した。

杏奈「バニッシュ!」

衛「ぐあ!」

衛の体内にレイジングの力を送り込み、それを大幅に膨らませ、大爆発を起こさせた。衛は顔色を悪くしながら口から煙を吐いて片膝を着く。

衛「...くそ、なんで、なんでなんだよ...」

杏奈「言ったじゃない、怒ったって勝てないって...冷静に物事を判断しなきゃ、君は一生、私には勝てないよ、一生ね。」

衛「....ほ.....ざけぇ!」

杏奈「うぐっ!」

衛は杏奈の腹を殴り飛ばしては体勢を立て直し、レイジングから白薔薇を刻んだ剣を生み出す。杏奈は怯むどころか楽しそうに構えている。

衛「....調子に乗りやがって!細切れになっちまえ!」

杏奈「おわ!」

衛が一気に接近し、連続で剣をめちゃくちゃに振るう。杏奈は読めているように冷静に回避して、足払いをして腹を強く踏みつけた。

衛「いっ!」

杏奈「学習能力ないねぇ、残念♪」

余裕そうに笑う杏奈を見て、衛の苛立ちは一方に高まるばかり。しかし、杏奈の足から中々逃れる事が出来ず、ただ藻掻くしか無かった。

杏奈「.....そんな力があるのに、どうして...」

衛「俺は自分の強さを皆に認めさせる!誰もが俺に着いてくるようになるまで!この力は俺自身の為に!」

杏奈「...馬鹿。そんなので認められる分けないでしょ、それなら自分の実力で努力しなきゃ駄目だよ!」

衛「うるさい!お前には解るかよ!こんな残酷で理不尽な現実をまともに生きられるやつはほんの僅かしかいない...後は弱い奴らが食われる、そんな世界が我慢できねぇんだ!だから解らせる、クソ共は排除されて当然だってな!」

杏奈「.....それって、この世の腐った人間達と全然変わんないじゃん....そんなことしてもまた悲劇は繰り返されるだけ!」

衛「......!」

杏奈「......同じレイジング使い同士、仲良くやってけると思ってたけど、悲しいな....」

今にも泣きそうな杏奈の顔を見て、流石の衛も俯くが、直ぐにキッとして足を退かし、顔に剣を突き出して、彼女の右目を潰した。

杏奈「いたっ!」

衛「ざまあみろ!油断しやがって!ぶっ殺してやる!」

杏奈「っ.....!」

衛はニヤニヤと笑い、剣を杏奈の心臓目掛けて突き刺そうとするが、杏奈は転がって躱し、自分も剣を生成した。

杏奈「っ!行くよ、衛くん!」

衛「くたばれぇ!」

2人は一斉に走り出し、お互い剣を振りかざした、すると、パキンッと金属が割れる音と、ドスッと刃物が地面に突き刺さる音がした。

衛「.....!?」

杏奈「......。」

衛の剣だけが折れて刃先が地面に突き刺さり、やがて消滅し、片膝を着くと、杏奈を睨みつける。それに対して彼女は剣を衛の目の前に突き出して言った。

杏奈「....まだやる?」

衛「.......。」

衛は悔しそうにもう片膝も着いて地面を何度も殴った。

衛「ちくしょう....もう駄目だ、俺の居場所は...完全に無くなった...!前の親父とお袋、学校の奴らに散々殴られ蹴られ、罵られる毎日....庇ってくれた妹も自殺して....守人に引き取られてからも、まだ他人を信用出来ずに高校で弄れる...一生...1人だ...俺は...」

杏奈「....衛くん♪」

衛「.....?」

衛が顔を上げると、杏奈が笑顔で手を差し伸べていた。

杏奈「一緒に帰ろ!」

衛「なんで...」

杏奈「私達、友達でしょ?♪」

衛「....は?ふざけんなよ...誰が..」

杏奈「ふざけてない!真剣だよ!ほら、帰ろうよ!ね?」

衛「......」

衛はとりあえず、手を訳も分からず取り、立ち上がると、照れくさそうに顔を逸らす。

衛「...こんな不良と...友達になりたいとかおかしんじゃね?」

杏奈「そんなの関係ねぇ!☆」

衛「....はぁ?」

杏奈「(´^ω^`)ブフォwww」

衛は呆れながらテンション高い杏奈を敬遠した目で見た。しかしそれはもう、他人を見下すようなものではなく、友達として、であった。

杏奈「帰ろ!」

衛「....へいへい」

ー翌朝ー

杏奈「あ、衛!おはよう!」

衛「うわ!くっつくなよ!」

朝、登校中に衛を見かけた杏奈はすぐさま衛に抱きついた。衛は「周りに変な目で見られるだろ!」と焦りながら言うが彼女はお構い無し。

杏奈「私達のおとうさん大喜びだったよ!特に守人さんは特に!」

衛「わかったから離れろ!」

杏奈「そんじゃ、また放課後!」

衛「....やれやれ」


to be the continued