第5話

目線の先。
_____カンタside

学校に行き、撮影をして、編集をして、いつもならそこまでが帰るまでのルーティン。





カンタ
カンタ
(さあ、編集も終わったし、帰ろっと…)
重たいリュックを背負って駅までを歩く。
分からない。ふわっとしたような感覚になった。___


足元がすっと立ち止まる。


コンビニのガラス窓から見えるあの子の姿に目を離せなくなっていた。


胸がぎゅっと。
すると、その子も俺の方を見た。俺は思わず目をそらす。
カンタ
カンタ
(いや、何やってんだ俺……。)
何も買いもしないのに店内に入った。と、とりあえずなんか買わないと…。
カンタ
カンタ
お願いします…
とりあえずだけど「チョコ」。
???
???
お預かりします。1点で118円でございます。
_____会計を済ませ慌てて店を出る。
カンタ
カンタ
はぁはぁ………。なにこれ……
心臓がどくん、どくんっと大きく音をたてていた。それはあの時の柔軟剤のような心地いい香りがした。
_____あなたside

今日はバイトの日。コンビニは色んなお客さんが来る。

お客さんがありがとうって言ってくれるのって嬉しいんだよね〜。

……
私
(ん?……)
視線を感じて外を見ると驚いたように目を開いて目が合う。すると慌てるように視線をそらしていた。

___(ピローン。)

その人はうつむいた様子でチョコを1つ買っていった。
私は彼の背中を見えなくなるまで目でおってしまった。

フワッとした感覚になった。

















_____カンタside。

(プルルル。…プルルル。)

トミー
トミー
もしもし。
カンタ
カンタ
あーもしもし、ごめんね急に。
トミー
トミー
どしたー
カンタ
カンタ
あのさ、特定の人を見て、フワッとした感覚になったり、胸がぎゅってなったり、心臓が誰かに聞こえそうなくらい音が鳴ってる時って……
トミーは俺の話を被せるように
トミー
トミー
恋だよ。恋
カンタ
カンタ
え、
トミー
トミー
一目惚れ、、じゃん?
カンタ
カンタ
でも!でも!話したこともないし、名前も知らないし、さ!!
トミー
トミー
でも、目が離せなかったんだろ?
カンタ
カンタ
う、うん。
トミー
トミー
じぁ、それしかねぇだろ
___会話は終わり電話を切った。
カンタ
カンタ
これが、「恋」なのか……。
恋なんて分からない。俺は人生でもしかしたら初めてかもしれない、あの子に会いたい。追いかけたいって思ったんだ。



つづく。