~現在~
話すと相澤先生をマイク先生は険しい顔をした
マイク先生は叫ぶ
現実を受け入れられないから
相澤先生は叫んではいないものの、手を強く握っている
ウソだと思いたいんだろう
でも…僕の表情や言動を見て、嘘じゃないと判断している
…受け入れたくないけど
そのあと、少し2人を見ていても、ずっと苦しそうな…悲しそうな顔をしている
やっぱり…言わなければよかった
僕は目をつぶる
僕は相澤先生たちの記憶を操作しようとする
…しかし、いつまでたっても個性が発動されなかった
なんで…?
…もしかして!!
僕は相澤先生を見る
僕が予想していた通り、相澤先生の髪が逆立っている
つまり、僕の個性を消しているということだ
僕は声を張りあげる
僕は手で耳をふさぐ
2人に、朧兄のことを伝えて…苦しめた
僕には…謝ることしか、できない…
そう思っていると…
ギュッ
相澤先生は僕を抱きしめる
僕は予想していなかったから、簡単に相澤先生の胸元に頭を押し付けられた
なんで…?
そういって相澤先生は頭をなでてくれる
だめだ…我慢、してたのに…
人前では、泣かないって…
弱い姿を見せないって決めてたのに…
僕は相澤先生の服をギュッと握って泣く
相澤先生は僕のことを抱きしめながら、頭をなでてくれる
マイク先生は僕の背中をさすってくれる
それに安心してきて、僕は意識が薄れていく
僕はそのまま、眠りについた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。