第11話

#11
639
2019/05/16 13:11
あの夜以降、私と貴久の関係は崩れることなく何も無かったかのように進んで行った。
むしろ、縮まったような気がする。
今日も私はBARに来ていた。
貴久
今日のカクテル。
あなた
わぁ、綺麗…。
貴久
アラスカっていう、ちょっと濁った色してるけど、それがまたいいでしょ?
コクコクと頷く。
…カクテル言葉、最近聞いてないなぁ。
あなた
貴久、このカクテル言葉って…
祐也
あなたちゃん、久しぶり。
あなた
わっ祐也くん!
祐也
へぇ、そんなカクテル飲むんだ。
あなた
これ、貴久が出してくれたの。
そういって貴久のほうをみたら、何故か得意げな顔をしていた。
貴久
祐也さんは、何にします?
祐也
俺もあなたちゃんにあげたかったのになぁ。でもそんな飲むと酔っちゃうからねぇ。
貴久
こいつ色んな意味で酔いやすいんでね。
あなた
ちょっ、そこ言う!?
祐也
………へぇ、色んな意味で。
貴久
祐也さんにはどうでしょうかね。
…いや、ヴァンパイアさん。
ニヤリ、と祐也くんが笑った。
……え?なんで笑うの?
貴久が間違ったことを言ってるから?
それとも─────

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