第6話

#6
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2019/04/11 12:50
祐也
ねぇあなたちゃん。
あなた
ん?
お気に入りのカクテルを口にしながら、私は彼のほうを向いた。
祐也
鈍感だよね、すっごく。
あなた
え、私??
祐也
ブラッディメアリーのカクテル言葉聞いて「そうなんだー」はさすがに……ねぇ?
貴久
いいから飲んでください。
祐也
ふふ、ムキになっちゃって♡
あなた
貴久?なにが?え?
妙にむくれてる貴久。
祐也くんも、ムキになってるって……え??
祐也
まあまあ、まだ勝敗は決まってませんから。
あなた
だからなに〜?
貴久
なんでもないですよね、祐也さん?
祐也
さぁね〜♪
なんで私だけ仲間外れなの?
貴久のBARって、こんなバチバチした熱いとこだっけ?
祐也
さ、あなたちゃん、もう帰ろう?
貴久
はっ?ちょ、お前待て!
あなた
え!?
帰る準備をした私の腕を、カウンター越しに掴んだ。
いきなりなに?
貴久はなにか言いたげに私の目を見た。
貴久
……今日は、ダメ。
あなた
え?な、なにが??
今日の貴久おかしいよ?
貴久
いいから帰るな。
祐也
は?何言ってるんですか。
あなたちゃんは俺が送ってくんで。
あなた
いやそんなの悪いよ!
昨日もお家に泊めてもらっちゃったし!
貴久
へぇー、家にねぇ。
あなた
そう、だからいいよ!祐也くん先に帰ってて!
祐也
……ちぇっ。
祐也くんは子犬みたいにしょんぼりした。
ちょっとそれが可愛い。
祐也
じゃーね、あなたちゃん。
あなた
うん、バイバイ。
そうして私は、最後の1杯のカクテルを飲んだ。

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