第2話

#2
852
2019/04/02 03:59
あなた
…じゃあ私は、これを貰おうかな。
祐也くんにあげる私からのカクテル。
貴久
アフィニティなんて、いつも飲まないじゃん。
あなた
知ってるカクテル言葉がこれくらいしかなかったの。
祐也
アフィニティって、確か…。
アフィニティのカクテル言葉、それは…
【ふれあいたい】。
こんな告白じみたことされたのは初めてで、そんな彼と【ふれあいたい】と思った。
貴久
ステア…だっけ?
あなた
バーテンダーなんだから客に聞かないでよ。
貴久
ごめん、あんま頼む人いないから。
貴久
はい、どうぞ。
あなた
ありがとう。
じゃあ、これどうぞ。
祐也
ありがとうございます。
なんか、ドキドキしますね、貰うの。
貴久
最後の1杯だからね。
あなた
分かってる!
唇に触れたカンパリオレンジの味は、ずっも前に飲んだ味より色っぽくなっていた。
他愛もない話をして、私たちはBARを出た。
祐也
(アフィニティ…とか、俺がヴァンパイアなの知って出してきたのか……。)
祐也
…ねぇ、まだ聞いてなかった。名前は?
あなた
あ、ごめんなさい、『あなた』です。
祐也
…いい名前ですね。
あなた
ありがとうございます………え、きゃあっ!
彼が微笑んだかと思えば、暗い路地裏へと連れてかれた。
祐也
俺のこと、失望するかもしれないけど、初恋だったんだ。
紅く深く光る彼の瞳に、私の全てを吸われた───

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