なんだよ、こいつ。
そんなに祐也が好きなら、自分から会いに行けばいいのに。ほんと女って分からねぇ。
カランコロン…。
お、おぉ…なんかバチバチしてるなぁ。
あなたの顔が真っ赤になって、固まった。
俺も同じく固まってしまった。
里恋が、祐也に腕を回しキスをしたからだ。
その瞬間、あなたが店の外へ飛び出した。
その後、祐也と里恋がどうなったかは知らない。
俺はただひたすらにあなたを追いかけた。あんなに悲しい顔をしたあなたを、ほっとけるわけない。
泣きわめくあなたの腕を掴んで無理やりこちらを向かせ、深く口付けた。
嫌がることなんて分かってる。
俺に気がないことなんて分かってる。
でも、こうでもしないと、あなたを抑えられなかった。
こんなことしても、俺には振り向いてくれないんだよな───
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。