流星 からの その 言葉 を 聞いて
現実 を 見て 、
私は 血の気が 引いた 。
『 絶対 に してはならないことを したんだ 』
私 を 批判の目で 真っ直ぐ 見つめる 流星 が
また 口を開いた 。
「 どない するん ? お腹の子 」
『 下ろす !! 』 と 言おうと したが 、
先手 は 流星 だった 。
「 そんな 簡単に 下ろす なんて 言わへんやろうな w てか 、言えへんのやろうな w 」
『 そんな こと ッ …………』
「 別に 俺のこと 好きでも ないんやろ ?」
どんどん 私の 身体中 から
血の気が 引いていく
………………………………
特に 妊娠1ヶ月 を 経っていないため
入院の 必要 な ない
と 言われ 、
返されることに なった 。
心の 荒れが 整わない 流星 と
罪深い 私 を 乗せた
流星 の 車は
雑踏の 中を 乱雑に 通り過ぎる 。
私 の 隣に 座る 流星 から
冷静 且つ 怒り に 震える 流星の 心 が
伝わってきた。
ちょっと 冷静に なりたくて
助手席 の 窓ガラス を 少しだけ 開ける
雑踏の 食べ物屋の 匂い や
ちょっと した 煙草の 匂い 、
車の排気ガス の 匂いが
車内に 入り込んでくる 。
いつもだったら 嫌いな匂い だけど
今日 は 何故か 安心する 。
ふーっと 大きく 息を吐いて
すーっと 外気を 大量 に 吸い込めば
ほろり と 涙が 零れ落ちる 。
全く こちらを 向かない 流星 が
淋しく て 愛しく て 、
また 涙が 零れた 。
『 ………… ごめ ッ 、 流星 ッ 、』
ふと 発していた 言葉に
流星 は 反応してくれない 。
もう 数百メートル も すれば
大きな 交差点 が あって
左に 曲がると 駅と 西武 が ある 。
その 交差点 を 西武 の 方に 曲がれば
そろそろ家なのに
流星は 右に 車を走らせる 。
『 流星 ッ !? ど、 どこ行くの ?? 』
そんな 私の 言葉を 無視して
どんどん 進む 車
気づけば 速度計 は
40 から 80 に なっていた
『 流星 !! 流星 ってば !! ねぇ !! 』
流石に 危機を感じた 私は
流星の 腕を がっ と 掴む
『 流星 ごめん って !! 流星を 、 流星を 壊したのは 私 。 だけど 、 だけどね、これ以上 、 私のせいで おかしくならないで !!』
沈黙 が 流れたあと
ふと 流星が 口を開く 。
「 それが 、 愛してる人だったと しても ?」
私は ただ 何も言えなくて
何処に 行くのか わからず進む 車を 運転する
流星の 腕を ぎゅっと 掴んだまま
その 真剣な 横顔 を 見つめる だけだった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!