流星 の 眼差し に 突き詰められて
心臓が ギュッと 収縮して 苦しさが増す。
呼吸が 荒くなって 、
頭が 真っ白になるような 、
過去の 記憶が 鮮明に なるような 、
不思議な 状況に 陥った 。
望 と 過ち を 犯した あの日のこと 、
それよりも 前に
流星 を 捨てて 、 望 と 会っていたこと
なんてこと してるんだろう って。
そんなこと を ずっと 考えていたら
目眩 に 襲われて 、
真っ暗闇 な 世界に
飲み込まれて いった 。
記憶 に 刻まれた 流星の 笑顔が 、
神経に 残る 流星 の 温もりが 、
今、 闇に 掻き消されようと している。
………………………………
ふと 悪い夢 から 目を覚ます ように
飛び起きると
そこは
見慣れた 家の リビング の
茶色い ソファの 上だ った 。
あれは 夢だったのだろか
それとも 現実 だったのだろうか 。
家には 誰もいなくて 、
ひっそり と 静まり返っていた 。
時計 を 見れば 、 針は 夜の 7時 を 刺す。
辻褄が 合うから 、 流星 と 病院から 帰ってきた あの出来事は 夢なんかじゃない 。
それを 最も 決定付けたのは 、
首筋に 咲いた ルージュ 。
確実に 、 数時間前 流星が 付けたもの。
夢だったら どれだけ 良かったのかな 。
ふと そんなことを 考えてみた 。
「 りゅう …… せ …… 」
ふと 淋しく なって 、
流星 の 名を 口にしてみた。
家の中に 流星は おらず 、
お腹に 掛かっている 流星の タオルケットを
ギュッと 抱きしめる 。
「 流星 、 、 帰ってくるよね 、 ?」
いつも だったら
絶対に こんなこと 考えなかったのに
今日は 流星の 笑顔が
頭にこびりついている。
「 流星、、、 ごめん 、、、 」
思わず 哀しくなって 涙が溢れた 。
私の 首筋 を 涙が 通り抜けた時 、
ふと 、 背中に いつもの 温かい 感触。
『 なぁ 、? 』
この声は ⁉︎ と 思って振り向けば
思った通り 、 流星 だった 。
『 なぁ ? あなた ? 』
「 流星 、 ごめんなさい 。 」
『 え? 』
「 相手とは ちゃんと別れる 。
子供 も 申し訳ないけど さよなら する 。」
『 あなたは ええんか ? それで 』
「 うん 。 いいの 。 これで 終わり 。
流星に 淋しい 思いさせた分 、
ちゃんと 、、、 ね ? w」
『 何を 濁してん 、 ww 』
「 だって 、 」
恥ずかしい じゃん って
口に出そうと した 瞬間 、
またも 奪われる 私の唇 。
でも 、 車の時 とは 全く違う 。
すっごく 優しい …… 。
『 ごめんな、 今まで 。
あなたに 構ってあげられへんで 』
〝 もう一度 やり直そう
そしたら プラマイ 0 でしょ ? 〟
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!