第9話

困 惑
2,347
2018/11/05 11:56




流星 の 眼差し に 突き詰められて



心臓が ギュッと 収縮して 苦しさが増す。




呼吸が 荒くなって 、


頭が 真っ白になるような 、


過去の 記憶が 鮮明に なるような 、



不思議な 状況に 陥った 。








望 と 過ち を 犯した あの日のこと 、


それよりも 前に


流星 を 捨てて 、 望 と 会っていたこと





なんてこと してるんだろう って。




そんなこと を ずっと 考えていたら


目眩 に 襲われて 、


真っ暗闇 な 世界に

飲み込まれて いった 。





記憶 に 刻まれた 流星の 笑顔が 、


神経に 残る 流星 の 温もりが 、



今、 闇に 掻き消されようと している。





………………………………






ふと 悪い夢 から 目を覚ます ように



飛び起きると


そこは


見慣れた 家の リビング の


茶色い ソファの 上だ った 。




あれは 夢だったのだろか

それとも 現実 だったのだろうか 。



家には 誰もいなくて 、


ひっそり と 静まり返っていた 。





時計 を 見れば 、 針は 夜の 7時 を 刺す。




辻褄が 合うから 、 流星 と 病院から 帰ってきた あの出来事は 夢なんかじゃない 。




それを 最も 決定付けたのは 、


首筋に 咲いた ルージュ 。



確実に 、 数時間前 流星が 付けたもの。





夢だったら どれだけ 良かったのかな 。



ふと そんなことを 考えてみた 。




「 りゅう …… せ …… 」












ふと 淋しく なって 、


流星 の 名を 口にしてみた。







家の中に 流星は おらず 、



お腹に 掛かっている 流星の タオルケットを


ギュッと 抱きしめる 。









「 流星 、 、 帰ってくるよね 、 ?」








いつも だったら

絶対に こんなこと 考えなかったのに



今日は 流星の 笑顔が

頭にこびりついている。















「 流星、、、 ごめん 、、、 」






思わず 哀しくなって 涙が溢れた 。










私の 首筋 を 涙が 通り抜けた時 、




ふと 、 背中に いつもの 温かい 感触。












『 なぁ 、? 』











この声は ⁉︎ と 思って振り向けば




思った通り 、 流星 だった 。













『 なぁ ? あなた ? 』




「 流星 、 ごめんなさい 。 」




『 え? 』




「 相手とは ちゃんと別れる 。
子供 も 申し訳ないけど さよなら する 。」





『 あなたは ええんか ? それで 』





「 うん 。 いいの 。 これで 終わり 。
流星に 淋しい 思いさせた分 、
ちゃんと 、、、 ね ? w」





『 何を 濁してん 、 ww 』




「 だって 、 」





恥ずかしい じゃん って



口に出そうと した 瞬間 、



またも 奪われる 私の唇 。








でも 、 車の時 とは 全く違う 。




すっごく 優しい …… 。











『 ごめんな、 今まで 。
あなたに 構ってあげられへんで 』











〝 もう一度 やり直そう


そしたら プラマイ 0 でしょ ? 〟


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