あなた から 手渡された 2枚の紙 、
1枚は 離婚届
もう1枚は 婚姻届 だった .
離婚届 には 既に あなたの名前やら
印鑑やらが 全て書き揃っていた .
婚姻届には
あなた の 名前の横に 、
望の字で 小瀧 望 としっかり書かれていた .
証人の名前も どちらにもあった.
『 俺、嫌やって 』
「 お願い 、 書いて 、」
あれだけ 流星のことを 嘲笑っていたのに
どうして泣きそうになってるの ……
『 無理やって! 無理や!!』
「 お願いだから!!」
俺に 紙を押し付けて来ようとするあなたを
突き飛ばす
〔 お前、、やめろよ!!〕
『 お前は黙ってろよ 』
とうとう私の目には
涙が 溜まってきて 、
この世を 歪ませた .
泣き出した 私を 見兼ねた彼は
ついに ペンを走らせた .
…………………………………………
彼が紙に 書き終えた頃には
私の顔は 涙で ぐしゃぐしゃだった .
なぜ涙が 溢れるのかもわからないけど
ただただ 泣いていた .
『 これで、ええんやろ? 』
悲しそうな彼の声 、
今にも 涙が溢れそうな 彼の瞳 .
今 この瞬間 、私は 彼と 他人になった .
でも、きっと彼は 幸せに なる .
そう信じたい .
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。