数日後、私は夏休みが終わり高校生活が再び始まった
ピピピッピピピッ
カチッ
アラームの音で目が覚め、朝ごはんの準備をする
ここから高校までは約30分
マサイの分の朝ごはんにラップをして着替える
髪の毛はいつも下ろしてたけど、校則があるから、ポニーテールをする
マサイは寝ながらそう言う。
だから、私の今の格好が制服に変わっていることもポニーテールになっていることも気づいていない
高校までの道を歩くこと数分後
なんか、周りからヒソヒソ聞こえる…
なんだろう、変な格好してるかな?
あ、そーゆーことか…
な、なんか歩きずらい…
そう、これがあの幼馴染…
いつもこんなふうにばかやってるけど…
タッタッタッっと走っていく凱斗
なんだかんだ騒がれながらやっと教室につく
ガラッ
小学校からずっと一緒で大親友!
シン………
な、なんか一気に教室が静かになった…
ガクッ!!
んぇ!?
マサイから奪う…?
え、あ、そ、そんな唐突な告白されても…
そう言い捨てて教室から出ていく
急に名前を呼ばれて振り向く
先輩の後ろをついて行き、中庭に連れてこられた
何をそんなにためらっているのだろう…
中庭じゃなくて、普通にあそこでいえば良かったのに~
ガッと手首を掴まれた
あー自分で言うんだ…そーゆーの。
自分でもびっくりするくらいの低い声が出た
先輩はそう言って立ち去った
私は足早に教室に戻る
私は、1度キレた相手には二度と話しかけない
例え話しかけられても、一言で終わらす
ガラッと先生が入ってきて、授業が始まる
その後は何事もなく、授業が終わった
優香には少し悪いけど、しょうがないか
校門で待つこと数分後
キャーーーー!!!フィッシャーズのマサイくん!
そんな叫び声があちこちから聞こえる
あー、もーやだー
マサイの頬が少しだけ緩んだ
私の髪を撫でるマサイ
ん。と言って差し出される手。
なんだろ…
ギュッ
手を握られる
周りからの目線が痛い…
女子からは私に向ける狂気の目が
男子からはマサイに向ける狂気の目が
あー、辛い…
急にグイッと後ろに手を引かれる
ちょっとテンパってる…
てか、なんで私凱斗に手握られてんの!?
マサイも私もキョトンとする。
宣戦布告…?なんの?
な、そーゆー事!?
馬鹿なの!?
うっ……なんでよ…
ていうか、なんかいろんな人達に囲まれちゃってるよ…
マサイはニヤッと口角を上げる
それとは裏腹に凱斗は真顔で睨みつける
マサイの手がポンッと私の頭の上に乗る
急にボッ!と熱くなる
マサイの隣に再び並んで歩く。
ここら辺はあんまり同じ高校の人がいないからとても静か。
許さないとか言いながら、ちょっと楽しそうじゃない!?
そんなことを話しながら家に着く
マサイはソファに座りながら呟く
な、何を言ってるんだ…?w
マサイは一呼吸置いた
飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった
告白されたのは事実だけど…
それも言わなきゃダメなのー!?
もーやだよ~…
ま、真顔でそんなこと言われてもぉ~
うー…なんでそんなに楽しそうなの…
マサイはバッとソファから立ち上がると私の方に歩いてくる
め、目が…怖いよ…
制服のままだった~!
あぶなーい!
シワがついちゃう!
いつもの私服に着替えて、戻る
もったいないって…
マサイはこう見えて超絶天才なんですよね…
頭良すぎて…
やっぱり教え方うまいな~
教える時にメガネかけるの、ほんと好き…
この横顔は一生私だけのものになるのか~
ふふふ~( ´﹀` )
あれ?私今どこ見てたんだろ…
え!?今私マサイの顔ガン見してた!?
わぁ~…恥ずかしい…うぅ~
勉強の時だけスパルタすぎない…?
もーちょっと構ってくれてもいいのにー…
ちらっとマサイを見る
綺麗な肌に女の子みたいな長いまつ毛。
高い鼻にキレのある口元。
やっぱり見入っちゃうな…
ほっぺたをむにゅっとされる…
かっこよかったんだもん…!
自分では気づいていないのか!?!?
俺の顔に見とれるって…
恥っず…
カチャッと眼鏡を外す仕草がとても絵になる
ボーー
マサイの意地悪…
口をとんがらせて小声で言う
そんなの恥ずかしくてもっかいとか言えないよ!
フイッと後ろを向く
後ろからギュッと手を回されてマサイの吐息が耳にかかる
焦れったいとか、ないし!!
マサイのいじわる!ばーか!
後ろを振り向いてもっかい言おうとした時…
急に唇に柔らかいものが触れた
唇が離れた瞬間
お互いのおでこがコツンっと当たる
かっこいいって言うだけで顔真っ赤にしてるあなたが可愛すぎてもう耐えらんない…
ニヤッとマサイが笑うと再び唇が重なる
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。