第41話

宣戦布告
2,131
2019/02/10 15:05
数日後、私は夏休みが終わり高校生活が再び始まった
ピピピッピピピッ
カチッ
あなた
あなた
ん…起きなきゃ~
アラームの音で目が覚め、朝ごはんの準備をする

ここから高校までは約30分

マサイの分の朝ごはんにラップをして着替える
あなた
あなた
よし!準備完了!
髪の毛はいつも下ろしてたけど、校則があるから、ポニーテールをする
あなた
あなた
マサイ!いってくるね!
マサイ
マサイ
ん、帰りは連絡しろよ
マサイは寝ながらそう言う。

だから、私の今の格好が制服に変わっていることもポニーテールになっていることも気づいていない
あなた
あなた
朝ごはん作ってあるから!
じゃ、行ってきます!
マサイ
マサイ
ありがと、行ってらっしゃい
高校までの道を歩くこと数分後

なんか、周りからヒソヒソ聞こえる…

なんだろう、変な格好してるかな?
同じ高校の女の子A
ねぇ!あの人って、フィッシャーズのマサイ君の彼女のあなたちゃんじゃない!?
同じ高校の女の子B
えー!!ほんとだ!!
同じ高校じゃん!超嬉しい!
あ、そーゆーことか…
な、なんか歩きずらい…
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
よっ!あなた!
あなた
あなた
わっ!凱斗!!
そう、これがあの幼馴染…
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
お前、有名人になったなw
まさか彼氏がいたとは~くっそー俺のチャンスねぇーじゃん!
あなた
あなた
いや、好きな人がいるって言ってたんだから最初っからありませーん!
いつもこんなふうにばかやってるけど…
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
まぁ、一緒に登下校するのはよしとくよ!
マサイさんに怒られっからなー!
あなた
あなた
はいはい…
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
じゃ、おっ先ー!
タッタッタッっと走っていく凱斗
あなた
あなた
はぁ…
なんだかんだ騒がれながらやっと教室につく
ガラッ
あなた
あなた
おはよ~
吉田 優香
吉田 優香
あなたーー!おはよー!!
あなた
あなた
優香ー!!おはよー!
小学校からずっと一緒で大親友!
吉田 優香
吉田 優香
ねぇ!聞いたよ!フィッシャーズのマサイくんと付き合ってるんでしょ!
ていうか、結婚するんでしょ!?
シン………
吉田 優香
吉田 優香
え?
あなた
あなた
え?
な、なんか一気に教室が静かになった…
吉田 優香
吉田 優香
な、なんで静かに…
男子A
あ、あ、ああなた!!
あなた
あなた
ん?なに?
男子A
け、結婚ってまじか!?
あなた
あなた
え?うん…
ガクッ!!

んぇ!?
あなた
あなた
だ、大丈夫!?
男子A
うぅ~…俺マサイから奪う気満々だったのに…
あなた
あなた
え?
マサイから奪う…?
男子A
お前は知らなかったと思うけど!
俺はあなたが好きだったんだ!
確かに顔もかわいいけど、すんげぇ優しいところが大好きだ!
あなた
あなた
へ?
え、あ、そ、そんな唐突な告白されても…
男子A
俺は諦めねぇーかんなー!!
絶対奪ってやる!
そう言い捨てて教室から出ていく
あなた
あなた
えぇ~…
吉田 優香
吉田 優香
また告白!?しかも公開告白じゃーん!
あなた
あなた
そんな事言われても…
男子の先輩A
あの、瑠璃坂さんっている…?
急に名前を呼ばれて振り向く
あなた
あなた
あ、はい。私です
男子の先輩A
ちょっと、いいかな…?
あなた
あなた
はい。
先輩の後ろをついて行き、中庭に連れてこられた
男子の先輩A
あ、あのさ
あなた
あなた
はい…
何をそんなにためらっているのだろう…

中庭じゃなくて、普通にあそこでいえば良かったのに~
男子の先輩A
フィッシャーズのマサイ君と付き合ってることも結婚を約束してることも知ってる。
あなた
あなた
はい
男子の先輩A
俺、瑠璃坂さんのことずっと好きだったんだ…!
あなた
あなた
へ?
ガッと手首を掴まれた
あなた
あなた
いたっ!
男子の先輩A
あ、ごめん…
男子の先輩A
中学の頃からずっとずっと好きで、瑠璃坂のことしか見てなかったんだ…
だからお願い!2番目でもいいから、付き合ってほしい!
あなた
あなた
え?いや、2番目とかそーゆーのないです。
ごめんなさい。先輩とは付き合えません。
男子の先輩A
なっ…、俺こんなイケメンなのに!?
こんなに優しくしてるのに、なんであんなYouTuberがいいんだよ!?おかしいだろ!
あー自分で言うんだ…そーゆーの。
男子の先輩A
マサイなんて、どこがいいんだよ!
顔と金だけだろ!?
あなた
あなた
は?
自分でもびっくりするくらいの低い声が出た
あなた
あなた
先輩はマサイの何を知ってるんですか?
所詮画面越しのマサイだけですよね?
顔と金だけ?そう思うなら勝手にそう思ってくれて構いません。
私がマサイを思う気持ちは先輩には分からなくて結構です
男子の先輩A
はっ……。
もういいよ…。
先輩はそう言って立ち去った
私は足早に教室に戻る
吉田 優香
吉田 優香
ねぇ、あなた!
今の先輩、告白!?
あなた
あなた
うん…でも、マサイのことバカにされたから普通にキレちゃったw
吉田 優香
吉田 優香
あーぁ、あなたにキレられたら一生話しかけてくれないのにね?w
私は、1度キレた相手には二度と話しかけない

例え話しかけられても、一言で終わらす
ガラッと先生が入ってきて、授業が始まる
その後は何事もなく、授業が終わった
あなた
あなた
あ、マサイに連絡しなきゃ
あなた
あなた
『まさい~終わったよ~!』
マサイ
マサイ
『今から行くから、校門で待ってて』
あなた
あなた
『おっけ!』
吉田 優香
吉田 優香
あなた!
一緒に帰る?
あなた
あなた
あ、ごめん優香!
多分これから帰れないかも…
マサイが迎えに来てくれるからさ!
ごめんね!
吉田 優香
吉田 優香
やっさしー!
全然大丈夫だよ!
また明日ね!
あなた
あなた
うん!ごめんね!じゃーねー!
優香には少し悪いけど、しょうがないか
校門で待つこと数分後
キャーーーー!!!フィッシャーズのマサイくん!
そんな叫び声があちこちから聞こえる

あー、もーやだー
マサイ
マサイ
あなた?
あなた
あなた
あ、マサイ!
マサイの頬が少しだけ緩んだ
マサイ
マサイ
めちゃくちゃかわいい…
ポニーテール似合ってるよ
私の髪を撫でるマサイ
あなた
あなた
ひひっ、ありがと!
マサイ
マサイ
んじゃ、帰ろ
あなた
あなた
うん!
ん。と言って差し出される手。

なんだろ…
あなた
あなた
??
ギュッ

手を握られる
マサイ
マサイ
手、繋いで帰るの…
あなた
あなた
う、うん…!
周りからの目線が痛い…

女子からは私に向ける狂気の目が

男子からはマサイに向ける狂気の目が

あー、辛い…
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
あの!
あなた
あなた
ふえ?
急にグイッと後ろに手を引かれる
あなた
あなた
か、凱斗!?
マサイ
マサイ
誰?
あなた
あなた
あ、あの幼馴染…です
マサイ
マサイ
あぁ、あなたに告ったやつか
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
な、何故それを!
ちょっとテンパってる…

てか、なんで私凱斗に手握られてんの!?
マサイ
マサイ
そんなことより、その手離してくれる?
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
は?
マサイ
マサイ
あなたは俺のだから。
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
俺、マサイさんに宣戦布告しに来たんすよ
マサイ
マサイ
??
マサイも私もキョトンとする。

宣戦布告…?なんの?
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
あなたのことマサイさんから絶対奪って見せますから!
マサイ
マサイ
ふぅん。できるもんならね。
な、そーゆー事!?
馬鹿なの!?
あなた
あなた
ちょ、凱斗!
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
あなたは黙ってて
うっ……なんでよ…
ていうか、なんかいろんな人達に囲まれちゃってるよ…
マサイ
マサイ
お前名前は?
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島凱斗
マサイ
マサイ
凱斗か…奪えるものなら奪ってみろ
マサイはニヤッと口角を上げる

それとは裏腹に凱斗は真顔で睨みつける
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
あなたが、俺を好きになるまで俺はやめねぇからな!
卑怯な真似は絶対しない!それは約束する
マサイ
マサイ
まぁ、頑張れ。
あなたの気持ちが変わることはないと思うけどね
マサイの手がポンッと私の頭の上に乗る
急にボッ!と熱くなる
マサイ
マサイ
ね?てことで、またいつかね~
新島 凱斗(にいじま かいと)
新島 凱斗(にいじま かいと)
くっそ…負けねぇからな!
マサイの隣に再び並んで歩く。

ここら辺はあんまり同じ高校の人がいないからとても静か。
マサイ
マサイ
凱斗、あいついい度胸してるよな~
あなた
あなた
へ?
マサイ
マサイ
俺からあなたを奪うとか…許さねぇ~
許さないとか言いながら、ちょっと楽しそうじゃない!?
あなた
あなた
私からしたら、やめて欲しい…
マサイ
マサイ
まぁあなたの気持ちが変わらないように、俺も頑張りますかー
あなた
あなた
変わらないってば~
そんなことを話しながら家に着く
マサイ
マサイ
ふぅ~ていうかさー
マサイはソファに座りながら呟く
あなた
あなた
ん?なーに?
マサイ
マサイ
その制服、まじで可愛いんだけど。
しかもポニーテールって、もういっそのこと殺してくれ~
な、何を言ってるんだ…?w
あなた
あなた
何言ってんの?w
マサイ
マサイ
まぁ冗談は置いといて、
マサイは一呼吸置いた
マサイ
マサイ
今日は何人に告白されたのー?
あなた
あなた
へ!?
飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった
マサイ
マサイ
顔に書いてあるよ。
告白されたって…
あなた
あなた
か、書いてないよー!
告白されたのは事実だけど…
あなた
あなた
凱斗のは違うからね!
マサイ
マサイ
いや、あれも2度目の告白だ。
それも入れて。
あなた
あなた
さ、3人…
マサイ
マサイ
だれに?
あなた
あなた
同じクラスの男子と、知らない先輩と凱斗
マサイ
マサイ
なんて言われたの?
それも言わなきゃダメなのー!?

もーやだよ~…
あなた
あなた
それもいわなきゃだめ…?
マサイ
マサイ
うん
ま、真顔でそんなこと言われてもぉ~
あなた
あなた
同じクラスの人には
『お前は知らなかったと思うけど!
俺はあなたが好きだったんだ!
確かに顔もかわいいけど、すんげぇ優しいところが大好きだ!
俺は諦めねぇーかんなー!!
絶対奪ってやる!』
あなた
あなた
って言われた…
マサイ
マサイ
あなたのいい所を分かってるね~
そいつー
うー…なんでそんなに楽しそうなの…
マサイ
マサイ
先輩は?
あなた
あなた
なんか、色々衝撃すぎて忘れたよ…
マサイ
マサイ
なに、衝撃って…何されたの?
マサイはバッとソファから立ち上がると私の方に歩いてくる
あなた
あなた
な、何もされてないけど!
マサイのことバカにされたから…
マサイ
マサイ
俺のこと馬鹿にするのはいいけど、あなたに手だしたら…許さない…
め、目が…怖いよ…
あなた
あなた
おおお、落ち着いて!
大丈夫だから!
マサイ
マサイ
まぁ何もされてないならいいけど…
マサイ
マサイ
とりあえず、着替えたら?
あなた
あなた
あ!忘れてた!着替えてくる!
制服のままだった~!
あぶなーい!
シワがついちゃう!
いつもの私服に着替えて、戻る
マサイ
マサイ
あの制服姿、誰にも見せたくないな
あなた
あなた
な!!
マサイ
マサイ
学校は諦めるけど、メンバーのみんなに見せるのはもったいねぇよ…
もったいないって…
あなた
あなた
もったいないってどゆこと…w
あなた
あなた
あ!ねぇそういえばさ!
マサイ
マサイ
ん?
あなた
あなた
勉強教えてー!
今日やったところあんまり分からなかったの!
マサイはこう見えて超絶天才なんですよね…

頭良すぎて…
マサイ
マサイ
あなたにも分からないことがあるんだね
あなた
あなた
そりゃ、あるよー!!
マサイ
マサイ
まぁまぁ、怒るなって。
んで、どこ?
あなた
あなた
ここ~
マサイ
マサイ
あーこれかー、これはこうやって…
やっぱり教え方うまいな~

教える時にメガネかけるの、ほんと好き…

この横顔は一生私だけのものになるのか~

ふふふ~( ´﹀` )
マサイ
マサイ
ねぇ、どこ見てんの…
あなた
あなた
え?
あれ?私今どこ見てたんだろ…
マサイ
マサイ
俺の顔見すぎだろ…
照れる
え!?今私マサイの顔ガン見してた!?
あなた
あなた
今、私見てた…?
マサイ
マサイ
うん。超ガン見された。
あなた
あなた
ご、ごめん!!
わぁ~…恥ずかしい…うぅ~
マサイ
マサイ
別にいいけど…ちゃんとノート見て
あなた
あなた
はい…
勉強の時だけスパルタすぎない…?

もーちょっと構ってくれてもいいのにー…
ちらっとマサイを見る
綺麗な肌に女の子みたいな長いまつ毛。
高い鼻にキレのある口元。

やっぱり見入っちゃうな…

マサイ
マサイ
あーなーたー
あなた
あなた
はっ…!!はい!
マサイ
マサイ
みーすーぎー
ほっぺたをむにゅっとされる…
あなた
あなた
むっ……
マサイ
マサイ
なんでそんな俺の顔見てんだよ
あなた
あなた
みとれてましゅた…
マサイ
マサイ
なににだよ…
あなた
あなた
マサイの横顔…
かっこよかったんだもん…!

自分では気づいていないのか!?!?
マサイ
マサイ
ばかか…ほら。早くやるよ。
あなた
あなた
はーい…
俺の顔に見とれるって…

恥っず…
あなた
あなた
あ!できたーー!
マサイ!ありがとー!
マサイ
マサイ
いえいえ
カチャッと眼鏡を外す仕草がとても絵になる
ボーー
マサイ
マサイ
はぁ…あなた。
あなた
あなた
へ?え?なに?
マサイ
マサイ
さっきから、なに?
あなた
あなた
え?なにが?
マサイ
マサイ
俺の顔見すぎなんだよ…。
あなた
あなた
だ、だってぇ~…
マサイ
マサイ
だってー?
マサイの意地悪…
あなた
あなた
(小声)かっこいいからじゃん…
口をとんがらせて小声で言う
マサイ
マサイ
……もっかい言って…
あなた
あなた
やだ…
そんなの恥ずかしくてもっかいとか言えないよ!

フイッと後ろを向く
マサイ
マサイ
はやく……
後ろからギュッと手を回されてマサイの吐息が耳にかかる
あなた
あなた
やだ…もう言わない…
マサイ
マサイ
じれった…
焦れったいとか、ないし!!

マサイのいじわる!ばーか!
あなた
あなた
だから…
あなた
あなた
かっこいいから……んっ!?
後ろを振り向いてもっかい言おうとした時…
急に唇に柔らかいものが触れた
唇が離れた瞬間
お互いのおでこがコツンっと当たる
マサイ
マサイ
かわいすぎなんだよ…
あなた
あなた
なっ……!?
かっこいいって言うだけで顔真っ赤にしてるあなたが可愛すぎてもう耐えらんない…
マサイ
マサイ
一生俺だけに見とれてろ…
他の男に見とれてみろ。
その時は…許さない。
あなた
あなた
マサイ以上にいい人なんていないし…
誰に見とれろっていうの。
マサイ以外いないし!
マサイ
マサイ
それでいい
ニヤッとマサイが笑うと再び唇が重なる

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