西山さん…私と花江さんが抱きしめ合ってるから…すごいびっくりしてる…
花江さんはこの謎の空気の中にいるのが気まずくなったのか
ガチャ
うわぁー気まず…どうしようなんて言えばいいんだろ…弁解出来ない…あんまり江口さんのは言いたくないし…
怒ってる?
違うんです。さっき花江さんと抱きしめ合ってたのには理由があるんです。
言いたい。江口さんにカッターで切られて首を絞められて痛くて苦しかったこと。でもこれを言えばまた西山さんに迷惑をかけてしまう。だから隠しておかないと…
そのためにはそういうことをされたってうっかり言わないようにしないといけないし
カッターの傷跡は花江さんが貸してくれた服で隠れている。首を絞められたり跡は今下を向いているからうまく隠れている
上を向かないようにしないと……
確かに西山さんの言うことは最もだ。けどちょっと言い過ぎじゃない?
うぁー!言いたい……
やばい……
いろいろとやばいよ…
そう言って西山さんは私の顔を両手で掴み上を向かせた
1番に目に入るのはやっぱり首の跡
なんか勘づかれた…
脱ぐしかないよね…
パサ
言い合いに夢中で江口さんが入ってきたことに気づかなかった…
かなりまずい状況になりました。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。