第49話

運動会
2,310
2018/06/24 06:58
今日 は 待ちに待った 蓮 の 運動会 。


保育園 最後 の 運動会 で 親 の 私たちが


一番 、気合い が 入っている 。


そして 、私 は お弁当作り の 真っ最中 。
玲於
玲於
あなた 、三脚 どこ?
あなた

クローゼット の 中

玲於
玲於
あなた 敷物 どこ?
あなた

それも 、クローゼット 。

玲於
玲於
ないよ?
どこ?
いちいち 聞いてくる 。


私 は 弁当 作ってんの!
あなた

ああ 、もう!
よく探して!

私 は 敷物 が 入っている かご を 見た 。


ちゃんと 、あるのに 。


よく見てよ 。
玲於
玲於
ほんとだ 。
あなた

弁当 作ってるんだから 。

玲於
玲於
 悪い悪い 。
反省 してるのかしら 。
ままぁ ~!
僕 の 靴下 どこ ~!
次 は 蓮 。
あなた

蓮 の 引き出し に
入ってるでしょ!

あったぁ ~!
 親子揃って …
こんなこと 言ってる場合 に もう 時間が …!
あなた

2人とも!
もう 、準備 して!

玲於
玲於
したした 。
あなた

蓮 の 準備 してあげて

玲於
玲於
うん
玲於 は 蓮 に 近寄って カバン を


持ってあげている 。
あなた

忘れ物ない?

ないよ!
私 は 玄関前 に 貼ってある


運動会 の 紙 を 見た 。
そこに 、黄色い バンダナ 。


と 書かれていた 。


そんなの 、準備 してないよ …!!
あなた

蓮 、黄色い バンダナ いるの?

いるいる!
踊り で 使うんだぁ ~ !
玲於
玲於
お 、蓮 も ダンスか!
ぱぱ も やってたんだよ 。
そんなことより 、用意 してないし 。


どうしよう 。
玲於
玲於
あなた?
どうした?
行こ 。
あなた

う 、うん …

れっつご ~ ! 
こんな 楽しそうに してる 二人 を


ガッカリ させたくないし …


どうしよう 。
不安 な 気持ち の まま 会場 に 着いた 。
行ってくる!
玲於
玲於
おう!
リレー 1位 だぞ ~ ?
当たり前 じゃん!
玲於
玲於
頑張れ!
蓮 の 初め の 競技 は リレー 。


意外 と 足 が 速くて びっくり 。


私 と 玲於 そんなに 足 早くないのに 。
玲於 は ササッと カメラ を 構える 。
玲於
玲於
バッチリ 撮ってやる 。
あなた

うん …

蓮 の 踊り は 5 番目 。


今 、2 番目 …


結構 やばいよ 。
あなた

ん…

玲於
玲於
あなた 、どうした?
さっきから 顔 が 暗いぞ?
これは 玲於 に 言った 方 が いい 。
あなた

いや …

あなた

私 、黄色い バンダナ
いるなんて 知らなくて …
買うの 忘れてたんだよ 。

玲於
玲於
は?
あなた

ごめんなさい …

玲於
玲於
そんなの 、今から 
行くしか ないだろ 。
それ 、早く 言えよ!
あなた

だって …!

玲於
玲於
お前 の 事情 より
蓮 の 気持ち 優先 に しろよ 。
玲於 は 人混み の 間 を すり抜けて


走っていった 。
あなた

玲於 …!?

私 の 声 も 届かず もう 見えない 。



" バンッ …! "



ピストル の 音 と 共 に 走り出す 子供 達 。
人数 も 少ないため 、早く 進んでいく 。
踊り も 近づいていく …
次 は 、蓮 の 番 。
あなた

蓮 !
頑張れ!

それに 気づいたのか


大きく 手 を 振って ジャンプ してる 。
そして 、ピストル の 音 が 鳴り 


子供 達 は 駆け抜ける 。


すると
蓮 が 隣 の 子 と ぶつかって 転けた 。
あなた

蓮!?

周り も ざわざわ しだして 


緊張 が 走る中 ─────
蓮 は ゆっくり 立ち上がって また


小さい 腕 を 思いっきり 振って


走り出した。
あなた

蓮 、頑張れ ~ !

順位 は 4 位 。


一応 最下位 と なる 。
けど 、そんなこと どうだっていい 。


泣かずに 立ち上がって 走れたんだから 。
ままぁ ~ !
競技 が 終わって 蓮 が 来る 。
あなた

よく頑張ったね!

膝 は 少し 擦りむけていた 。
あなた

よく 、走れたね …!
えらいえらい …

僕 、ぱぱ と 1位 
約束 したのに とれなかった …
悔しそうに 話す 蓮 の 目 には 涙 。
あなた

そんなの 大丈夫!
蓮 は 頑張ったよ 。

うん …
次 の 競技 の 為 、蓮 は 戻って 行った 。
あなた

蓮 …

" 次 は 借り物 競走 です "
蓮 の 1個 した の 歳 の 子 の 競技 。
あなた

玲於 、まだかな 。

ソワソワ して仕方ない 。
そして 、その 競技 も 終わって


次 の 競技 。


先生 達 の 競技 。
あなた

もう 、始まっちゃう …

先生 の も 終わって 次 は 蓮 の …
まま!
黄色い バンダナ ないよ!
蓮 が 言いに来た …
あなた

ごめん …
まま 、買ってなくて …

どうすれば いいの …?
蓮 の 不安 そうな 顔 。
あなた

本当 、ごめんね 。

いいよ!
僕 、無し で やるから!


" 蓮 の 気持ち を 優先 しろ "


玲於 の 言った 声 が 頭 を 過ぎる 。
あなた

あ …

玲於
玲於
蓮 …!!!
買ってきたぞ!
ぱぱ!
あなた

玲於!

黄色い バンダナ を 振って


玲於 は 走ってくる 。
玲於
玲於
ほい 。
思いっきり 踊ってこいよ?
うん!
ありがと 、ぱぱ!
思いっきり 蓮 は 走って 戻る 。
玲於
玲於
はぁ 、はぁ … 
あなた

ごめん 。
玲於 …

玲於
玲於
別に 、怒ってないし 
あなた

でも …

玲於
玲於
大切 な 奴 が 困ってたら
助けるのが 俺 の 役目 だろ 。
あなた

玲於 …

玲於
玲於
ちゃんと 、撮れた?
あなた

あ 、うん!

玲於
玲於
そっか 。
よかったよかった
玲於 は 優しすぎる 。


息子 の 為 に あそこ まで してくれる 。
あなた

玲於 、ありがとう 。

玲於
玲於
蓮 の 為 だけどな 。
あなた

うん …!

それから 蓮 の 踊り が 始まった 。


みんな 、可愛くて もう 天使 。


けど 、1人 だけ グチグチ 言ってる 。
玲於
玲於
ちょっと 、あの子
真剣 に やってるの …?
もっと 手 真っ直ぐ に !
人 の ダンス を 見て ソワソワ してる 。
あなた

静かに …!

玲於 は ダンス の 経験豊富 で


今も 軽く ダンス 友達 と ダンス したり


している。
玲於
玲於
だってぇ …
あなた

しっ …

玲於
玲於
はい
それから 玲於 は 静かに していた 。


我慢 して 見てる姿 も 愛しくて ────
あなた

わぁ ~ !
可愛かったね!

玲於
玲於
そうだな!
これで 、運動会 は 終わった 。
帰り道 。
蓮 は 疲れて 夢 の 中 。


玲於 の 大きな 背中 の 上 で


すやすや 寝ている 。
あなた

玲於 に そっくり 。

玲於
玲於
俺 に 似てるなら
可愛い って 事 だな ?
なるほど …
あなた

何 、自分 で
言っちゃってんの?

玲於
玲於
いや 、本当 の 事 。
おもちゃ ~ …
わ ~ い …
ありがとう
まま ~ ぱぱ ~ !
突然 の 寝言 。
あなた

おもちゃ
買ってもらってる 夢 かな 。

玲於
玲於
おもちゃ 買ってあげるか 。
あなた

だね 。

オレンジ の 夕日 を バック に


私 達 は 家 に 帰った 。
帰ると 速攻 、玲於 は 寝る 。
そりゃ 、疲れたよね 。


ごめんね 。


その 隣 で 蓮 も 一緒 。


ほんと 似てるなぁ 。
あなた

ぱぱ 、蓮 。
お疲れ様 。

そうして 、私 は 


二人 の 頬 に 軽い キス を 落とした 。
そしたら 、可愛いことに 


二人とも 顔 が 緩んだ 。


親子 って こんなに 似るんだ 。
あなた

別に 撮ってもいいよね 。

カメラ に 私 の 宝物 となる 写真 が


一枚 保存 された 。

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