今日 は 待ちに待った 蓮 の 運動会 。
保育園 最後 の 運動会 で 親 の 私たちが
一番 、気合い が 入っている 。
そして 、私 は お弁当作り の 真っ最中 。
いちいち 聞いてくる 。
私 は 弁当 作ってんの!
私 は 敷物 が 入っている かご を 見た 。
ちゃんと 、あるのに 。
よく見てよ 。
反省 してるのかしら 。
次 は 蓮 。
親子揃って …
こんなこと 言ってる場合 に もう 時間が …!
玲於 は 蓮 に 近寄って カバン を
持ってあげている 。
私 は 玄関前 に 貼ってある
運動会 の 紙 を 見た 。
そこに 、黄色い バンダナ 。
と 書かれていた 。
そんなの 、準備 してないよ …!!
そんなことより 、用意 してないし 。
どうしよう 。
こんな 楽しそうに してる 二人 を
ガッカリ させたくないし …
どうしよう 。
不安 な 気持ち の まま 会場 に 着いた 。
蓮 の 初め の 競技 は リレー 。
意外 と 足 が 速くて びっくり 。
私 と 玲於 そんなに 足 早くないのに 。
玲於 は ササッと カメラ を 構える 。
蓮 の 踊り は 5 番目 。
今 、2 番目 …
結構 やばいよ 。
これは 玲於 に 言った 方 が いい 。
玲於 は 人混み の 間 を すり抜けて
走っていった 。
私 の 声 も 届かず もう 見えない 。
" バンッ …! "
ピストル の 音 と 共 に 走り出す 子供 達 。
人数 も 少ないため 、早く 進んでいく 。
踊り も 近づいていく …
次 は 、蓮 の 番 。
それに 気づいたのか
大きく 手 を 振って ジャンプ してる 。
そして 、ピストル の 音 が 鳴り
子供 達 は 駆け抜ける 。
すると
蓮 が 隣 の 子 と ぶつかって 転けた 。
周り も ざわざわ しだして
緊張 が 走る中 ─────
蓮 は ゆっくり 立ち上がって また
小さい 腕 を 思いっきり 振って
走り出した。
順位 は 4 位 。
一応 最下位 と なる 。
けど 、そんなこと どうだっていい 。
泣かずに 立ち上がって 走れたんだから 。
競技 が 終わって 蓮 が 来る 。
膝 は 少し 擦りむけていた 。
悔しそうに 話す 蓮 の 目 には 涙 。
次 の 競技 の 為 、蓮 は 戻って 行った 。
" 次 は 借り物 競走 です "
蓮 の 1個 した の 歳 の 子 の 競技 。
ソワソワ して仕方ない 。
そして 、その 競技 も 終わって
次 の 競技 。
先生 達 の 競技 。
先生 の も 終わって 次 は 蓮 の …
蓮 が 言いに来た …
蓮 の 不安 そうな 顔 。
" 蓮 の 気持ち を 優先 しろ "
玲於 の 言った 声 が 頭 を 過ぎる 。
黄色い バンダナ を 振って
玲於 は 走ってくる 。
思いっきり 蓮 は 走って 戻る 。
玲於 は 優しすぎる 。
息子 の 為 に あそこ まで してくれる 。
それから 蓮 の 踊り が 始まった 。
みんな 、可愛くて もう 天使 。
けど 、1人 だけ グチグチ 言ってる 。
人 の ダンス を 見て ソワソワ してる 。
玲於 は ダンス の 経験豊富 で
今も 軽く ダンス 友達 と ダンス したり
している。
それから 玲於 は 静かに していた 。
我慢 して 見てる姿 も 愛しくて ────
これで 、運動会 は 終わった 。
帰り道 。
蓮 は 疲れて 夢 の 中 。
玲於 の 大きな 背中 の 上 で
すやすや 寝ている 。
突然 の 寝言 。
オレンジ の 夕日 を バック に
私 達 は 家 に 帰った 。
帰ると 速攻 、玲於 は 寝る 。
そりゃ 、疲れたよね 。
ごめんね 。
その 隣 で 蓮 も 一緒 。
ほんと 似てるなぁ 。
そうして 、私 は
二人 の 頬 に 軽い キス を 落とした 。
そしたら 、可愛いことに
二人とも 顔 が 緩んだ 。
親子 って こんなに 似るんだ 。
カメラ に 私 の 宝物 となる 写真 が
一枚 保存 された 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!