後日、彼の働くカフェに
お気に入りの本を持って、、、
「いらっしゃいませ!」
丸山くんじゃない、、、
「これください」
店内にも外にも、姿が見えない。
数分待っても姿が見えない。
「あの、、、丸山さんって、、、」
「あー、マルは風邪ひいて」
「そうですか、、、」
昨日私に傘貸したからだ、、、
申し訳ないことしたな、、、
大丈夫かな、、、
「もしかして丸海あなたさん?」
「そうですけど、、、」
「あ、、、そういえばマルから
窓際に座る子に聞かれたら
バイト入れてないって言っといてって
言われてたんだった」
え、、、もう風邪のこと言っちゃってるし、
この人ド天然なのかな、
「僕はマルの友達です、
安田章大です!」
「私は丸海あなたです!」
「知ってるよ!
マルがいつも言ってるからねー、」
丸山くんが?なんて??
「もしかしてこのあと暇???」
「予定は無いですけど、、、」
「ちょうど良かった!マルの所に
薬持って行ってくれます??」
「え!?」
「僕バイトですし、心配なんですよね?
これ住所と薬です!よろしくお願いします!」
今から丸山くんの家に!?
「あ、絶対このメモ落としたり、
あげたり、捨てたりしないでくださいね!」
「そんなことしませんっ!」
「ならよし!じゃぁお願いします!」
受け取っちゃった、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!