第4話

#4
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2019/03/08 14:09
彼女は毎日このカフェに来ている。

いつも同じものを頼んで同じ席にすわって、、、


今日は本を忘れたみたい、
僕のお気に入りの本を貸した。


彼女は本に集中している、
いつもの帰る時間が過ぎても、

外はこんなにくらいのに、、、


「それに、この話僕達みたいで、、、」


なんて言わなければよかったかな
急に言われてもビックリするよね、、、



彼女は、帰る準備をしている
傘は持っていないみたいだし
僕もバイト終わりだし、、、

これはチャンスかな、、、


「ちょっと待っててください!」


だなんて、こんなに積極的なのは
初めてかもしれない、、、
彼女は困惑してるようだったけど、




名前も聞けて同い年って分かったし、
あとは彼氏がいなければ、、、


最近ずっとこんなことばっかり考えてる、、、


あなたちゃんは人見知りで、
僕が話しかける度に恥ずかしそうにしている、、、

それが可愛くて仕方ない、、、
僕にだけ、、、

僕にだけその表情を見せて欲しいって、、、




意外と帰り道一緒だ、、、
家近かったりして、、、笑


いきなり家まで送ったらちょっとやばいよね、



「あの、、、この本ありがとうございました!」


「あ、面白かったでしょ?」


「はい、、、」


「あ、僕こっちに用あるんで
この傘使ってください!
傘持ってきてないですよね?
雨降りそうですし、、、」


「いや、、、でも」


「大丈夫ですから!」


うん、今日はここまでにしておこう、、、
またチャンスはくるはずだよね?


「あ、ありがとうございます!」


「うん!あ、明日からタメ口で話そか!」


「はい!、」


彼女は手を振って微笑んでいた。




そうして別れたあと本を開いた、、、


「僕らもこうなればいいのに、、、」


この本には一番好きなシーンがある
そこを開くとメモ紙が挟まっていた


『本、ありがとうございました!
面白かったです!
次はぜひ私の本を、、、

このシーン、一番好きです、あなた』


と書いてあった、、、



これから僕は彼女に夢中になりそうだ。

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