それから沈黙が流れた、やっぱり怖かったかな…?
彼からは予想もしなかった言葉が飛んできた、嬉しかったが嬉しさと同時に
不安も募った
彼からは嘘を付いている様な音はしなかった、きっと本心なのだろう、こんな事言ってくれる人にはあの子たち以外会った事が無かった
「素敵」そう言って貰えてとても嬉しかった、頬を少し赤らめながらお礼を言う
少し沈黙が流れてから桃宮さんが話しかけた
私はその言葉を理解するのに少し手間取った
彼は少し悲しそうにそうつぶやいた、そんな彼を目の前にしていると「違う」と否定したくなった、いや、「ほっとけなかった」というのが正しいだろう
私の話を聞いて彼はとても嬉しそうだった
私たちはまた手をつないで彼の家へ向かった、彼の手はまたちらちらと熱かった
❁桃宮さんの家の前❁
しばらく歩き続けていたら彼の家に着いたようだ、私は建物の大きさが知りたかったので「ふぅ」と息を吐いた、吐いた息が建物にあたり、跳ね返り、自分に返ってくる
この建物は二階建てのようだが、間口がとても広いのだ、ざっと言って50mくらいだろうか、こんな大きな家に桃宮さんが住んでいるなんて驚きだ
彼の掛け声が聞こえた後に「カチャカチャ ガチャ」と扉を開ける音が聞こえた、今まで人の家に上がったことが無かったので正直とても緊張している、耳を澄ますと家の中からがやがやと声が聞こえてくる、思っていたよりも人が多いようだ
家の奥から可愛らしい声が聞こえたと同時にスタスタと走ってくる音が聞こえた
彼は玄関ドアに来た途端言葉が途絶えた、理由は簡単、恐らくだが
自分がいるからだろう
急に大声をだしたので驚いて体がビクついてしまった
彼の言葉が家中に響いたやいなやドタバタと足音が聞こえてきた
次々に喋りだしたので理解が追い付かなかった、彼らが何を言っているのか分からなかったし、名前を聞いてきた人は特に圧が凄かったので何も言えなかった
桃宮さんがあきれた様子で言ったら「分かった」と言って話を聞いてくれた、桃宮さんは「こいつらにあなたの名字さんの事言ってもいいですか?」と聞いてきたので良いですよと答えた、私の答えを聞いた桃宮さんは彼らに私と桃宮さんの関係について、そして私の目について話した
nexttime✉
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。