第14話
朝に吹く風
私は小鳥の囀りが聞こえて目が覚めた、「そろそろ起きようかな」そう思いベッドから起き、
カーテンを勢い良く開ける
窓から入る日差しは暖かく、風は優しく心地良く吹いていた
「今何時頃かな」そんな事を考えて居たら遠くから声が聞こえてきた
どうやら無理やり起こされたようだ
そう言って笑いながら私はリビングへと足を運ぶ、リビングにはすでに四人が揃っており、幸樹と琉斗は私の後にリビングへ着いた、幸樹は疲れた様子で「だるいってぇ~」と言っている、私が「おはよ~」と言うと「おはよ!」と六人の元気な声が返ってきた
智巳の声に六人は「はーい」と返事をする…………
詩流の掛け声で皆が「ご馳走様!」と言った
六人は食べ終わるとそそくさとかたずけをした
何だか六人の様子が可笑しい気がする、昨日と比べて明らかにテンションが違い過ぎていたからだ、耳を澄ましてみると皆は緊張している様な音を出していた
あなたの下の名前は不思議に思い六人に問いかける、六人はビクッと体を震わせ何やら相談しだした
数分後、六人が「うん」と頷きあなたの下の名前の方を向く
七翔は少し緊張が漲った声で言った、あなたの下の名前は緊張と平静が入り混じった感情を抱きながら「うん」と返事をし、彼に付いて行った
私は七翔にリビングのソファへ導かれ、座った、六人もあなたの下の名前と向かい合わせになるように座ってから
しばらく沈黙が流れた
……何か気まずくない?…………皆からも緊張の音がはっきりと聞こえる…………この気まずさから脱出するには…………っ考えても仕方ない、皆を待とう………………
そんな事を一人で考えて居ると七翔が口を開いた
彼はそれだけ言って黙ってしまった、凛久くんが彼に「落ち着いて」と声をかけながら背中をさすっている、私も七翔くんを落ち着かせに入りたかったが皆の様子からしてとても重要な事なのだろう
それに、語り掛けられているのは私自身だ、ここで口を挟むわけにはいかない
私は姿勢を崩さず六人を待つ
七翔を心配しながら詩流が「俺が言おか?」と彼に問う、彼は「うん、ありがと…」と頷きながら言った
彼の真剣な声に少し体が強張る、私は「分かった」と改めて気を引き締めながら言った
私は彼の言葉を理解するのに少し時間が掛かった、私が皆と住む?そんなバカ
みたいな……………………嬉しい話有るわけがない
私は念のためもう一度聞く、詩流くんは「はぁ」と小さく溜め息をつくと口を開いた
私は彼の言葉を聞いて涙が込み上げて来て今にも零れそうだ、皆の前ではだめだと思いながらも涙を
堪える事が出来なかった
七翔も落ち着いた様で、皆と同じく「ごめんね」と謝っている
皆が急にあたふたしながら謝って来た事に驚いて涙は止んでしまった、と言うかどうして皆謝ってるんだ?
言おうか迷ったが思い切って言ってみた、皆は私の言葉を聞いて「え?」と声を漏らした、
……………待って、「え?」はこっちのセリフだよ!
だめだなぁ、折角泣き止んだのにまた涙が出てきちゃった……これじゃ皆にまた心配かけてしまう………けれど涙って止めようとしても止めらんないんだよな…………
七翔くんの声に驚いて俯いていた顔を急に上げた
嘘…声に出てたなんて…
七翔は悲しそうな顔でそう言った
七翔くんが「ん?」と問うと私は笑顔で「ありがとうね!」と言った
凛久はあなたの下の名前の言葉を聞いて「やっったーーー!!!」と言いながら勢いよく飛び跳ねた、五人も「やった!!」と声を上げている、その時智巳が「あ」と声を漏らした、皆が智巳に視線を向ける
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