❁楽器室❁
部屋に着くや否や私は驚きを隠せなかった、さっき居た防音室でも結構の広さだったが、ここ、楽器室は防音室の約三倍の広さで、部屋一帯に楽器がずらりと並んでいた、「凄い………」そんな事を考えていたら琉斗くんが「ですよね!」と言ってきた、どうやら口に出してしまっていたらしい
そう言いながら凛久は右肩をぐるぐると回した、その様子を見てる琉斗が「ふっ」と笑う
その時凛久が手を「ピンッ」と上げた
凛久は自分の頬を膨らませながらそう言った
智巳は少し心配した様子で問いかけてきた
そう、私は大体の楽器は弾けるが、ドラムは楽器の中で相当苦手、叩くの好きだよ?!好きだけどさ!バスドラムとハイハットが連動しちゃいそうだし、たまにどこ叩けばいいか分からなくなるし、出したい音出せないし、最悪なんだよなぁ
そんな言い訳を考えていると一つの提案が浮かんだ
あなたの下の名前の言葉を聞いて三人は唖然としている中、あなたの下の名前は淡々と話していく
あなたの下の名前が話終えると部屋は「シン…」と静まり返った、次の瞬間凛久が大きく息を吸ってから
「それって………」と言った
琉斗が発した小言はあなたの下の名前には届かなかった
二人の会話が面白くて笑みが零れる
あなたの下の名前の掛け声で三人はそそくさと楽器を選びに行った、皆がどんな系統のを選ぶか分からないから
取り合えず様子見かな?
数分たって皆が楽器を選び終えた、「凛久くんはプレシジョンベース、琉斗くんはSG、智巳くんはシンセサイザー………結構音が低めの楽器…なるほどね」そんな事を考えながら選んだのは一般的なドラム、電子の物もあったがやっぱりこっちの方がしっくりくる
……皆で話し合った結果、ベースが最初に二小節弾き、そこから凛久に合わせるようにドラムと鍵盤が入り、一小節弾いたところでギターが入り始め、バトル開始、と言う事だった、バトルの順番は「凛久、智巳、あなたの下の名前、琉斗」の順番で、一周ソロが回ったら皆で弾いて、琉斗の合図で終わる感じだ
皆がチューニングをしだす中、あなたの下の名前は久々に叩くので軽く練習していた、それに智巳が入ってくる、二人で弾いているといつの間にか凛久と琉斗も入って来て、四人で演奏していた、楽しくて“本気でやりたい”そう思ったが、せっかくのバトル、もう少しだけ我慢する事にした
一通り弾くと凛久が声を発した
そう言ってから凛久は一回深呼吸する
凛久の掛け声に三人が「お~~!!」と答える
nexttime✉
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。