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あなたSide
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関係が終わったのに、
君はいつも通りを装ってくれて。
わざわざ駅に迎えに来てくれるなんて、
そんなん彼女だけで良いのにって思ったけど
意地でも家まで送ってくって、言うから仕方なく車に乗りこむ。
でも、私の変なこだわりで、
元カノの私は、助手席に座れないって思ってる。
助手席と言ったら、彼女の特等席。
運転する真面目な君(🈳)顔を隣で見れるから。
手を離した私には、その席に座る資格はない。
だから私は後頭部座席に座り、窓の外を眺める
だんだんと移り変わる景色。
まるで、二人の気持ちみたいで。
バックミラー越しに、ちらっとこっちを見るそら。
ぱちっと目があい、ぎこちなくそらす
何か話さなきゃまずいと思ったのか、会話を切り出す。
最近って何だよって思った。
私の頭の中には君と別れたニュースしかないから、
答えるのに戸惑って
得意の作り笑いでごまかした。
別れた後も気にしてくれるなんて、優男すぎ
また惚れちゃうじゃん
日常を頑張って演じてみたけど、
無理だったみたい
助手席に忘れられた
綺麗な花柄のハンカチを見てしまったから...
From.Strawberry moon🌃
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。