全ての配信が終わったはずだけれど、 私はもちろん、 裕子先生も因幡さんも解放されない。
手招きをする耕一くんに恐る恐る近づく。
そう呟き、 パソコンが置いてある机の脚と私の利き手の手首を手錠で固定した。
立ち上がり、 こっちに近づこうとする武蔵さんから私を守るかのように私の前に立った。
裕子先生はびっくりするも、 三郎さんと目を合わせながら耕一くんの元へ来た。
その瞬間、 耕一くんが裕子先生を捕らえ、 首元にカッターの刃を当てた。
少し嫌そうな表情を見せた。
因幡さんは耕一くんから手渡されたスマホを手に取り、 録画の開始ボタンをタップした。
悔しそうにする和泉さんの背中からは本当に拳銃が出てきて。
それを三郎さんに手渡した。
それを受け取り、 銃を構えた。
裕子先生から聞いた事がある…。
一年前の事件の事…。