20年前 ~和泉side~
今、 私たちは先日起きた孤児院事件に追われている。
最初は男の一方的な子どもを狙った犯行だと、 思っていた。
だが、 調べていくうちに悲しい事実に私たちはぶつかったのだ。
新しい技術をあなたの下の名前ちゃんに試験的に行ったところ、 孤児院に居たという記憶まで消えてしまった。
しかも、 その消された記憶をそのままにすると上が私たちに言った。
私はしょうがないと言った同僚を置いて、 警察庁内を走った。
上官を追った。
少し走った先に、 先程事を伝えに来た上官が居た。
私はその人の腕を掴んだ。
当時、 下っ端の下っ端だった私の意見なんて到底採用されることも、 まともに聴いてもらえることもなく、 この事件は幕を閉じた。
私ひとりでも、 乃楽さん一家に謝罪に行こうとしたが、 上官の腕を掴んで、 反論したということで、 私はしばらく監視されながらの事務業務に追われてしまったため、 この事実を誰も知ることなく時間が経ってしまった。
この事件は、 私たち警察がより残酷にしてしまったのだ。