私は壊理ちゃんの面倒を任されることになり、壊理ちゃんはとても私を受け入れてくれた。
クロノさんによるとここまで誰かに懐く事はなかったらしい。
絵本を読んだり髪を括ってあげたり敵連合での生活を話してあげたりすると興味津々で聞いてくれた。
そして壊理ちゃんはここで何をしているのか。
壊「この前、外へ出た時にね…」
『うん』
壊「ヒーローに会ったんだ…」
『ヒーロー…』
壊「すごく…強く…抱き締めてくれたの…」
『…。』
壊「暖かかったの…!」
『壊理ちゃんはここにいて辛くないんですか?』
壊「…。」
『…私の両親はプロヒーローでした。』
父は元No.4ヒーローで人気もあったのですがオールマイトに勝てないと言う悔しい思いから個性婚を始めました。
父の個性は"幻覚"。相手にすごく実現的な幻覚を見せる事が出来ます、母は"変形"。物を変形する事が出来ます
兄弟は姉、兄、そして私の三兄弟です。誰か1人は複製した個性が産まれる…のですが姉は"布"、兄は"メモリー"と両親のどちらも関係ない個性が発現しました。私もそういう個性が出るのではと思っていたのですが…父が望んでいた通り私の個性は父と母の個性の複製、"変透"と言う個性が発現して私をNo.1ヒーローにしようとしたのです。
個性が発現する前から運動神経をつけて、3歳には鉄の棒を持たされて動きを体に慣れさせようとして個性が発現した5歳の頃が全ての始まりでした。
『私は…壊理ちゃんの気持ちが痛い程分かります。だから私は…』
壊「大丈夫だよ」ギュッ
『!』
壊「ね?」
壊理ちゃんが私の手を包んだその小さくて可愛い手はとても暖かかった。
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ガチャ
ト「弔君、おかえりなさぁい」
死「全員集まったか?」
黒「はい」
「八斎會と協力するだって…?!」
死「あぁ!!何度も言わせるな。あちらの計画には充分な旨みがある!トガとトゥワイス!今日からお前らはヤクザだ!!」
ト「つまんねぇ冗談だ面白ぇよ死柄木…!!」
死「黒霧も持っていかれそうなだったが粘ったよ、まァ実際あいつはあいつで今大事な案件に取り掛かってるしな…移動については地下のルートで_…」
ト「何が旨みだよ!!冷徹ぶりゃリーダーか?!感化されちまったかあのマスク野郎に!!あいつはマグ姉を殺したんだぞ、あいつはMr.コンプレスの腕をぶっ飛ばしたんだぞ!あいつは…!俺が不用意に連れてきたんだぞ?!俺だって人間だぞ…?!死柄木…!!トガちゃんもよォ!!なんとか言えよ!!」
ト「弔君にとって私達は何でしょう?私にとって連合は気持ちがいい、ステ様がキッカケでした。私も私のやりたいように…生きやすい世の中に出来るものならしてみたいと思うのです、ねぇ弔君。何の為に辛くて嫌なことをしなきゃいけないの?」
死「………そうだな」
俺とお前達の為だ
死「向こうと連合の機動力を削ぎ、且つ。有用なお前らを懐柔したいんだろう外堀から取り込んで従えたいんだ、ハナから対等になんて考えてもいないのさ…トゥワイス、責任取らせろと言っていたな。こういう取り方もある、俺は "お前達を信じてる"」
全「…。」
荼「…?リーダー、あなたは?」
ト「そう言えばいませんね?」
死「あぁ、あなたは向こうの娘の面倒見係になった。」
ト「嫌だー!あなたちゃんに会えなくなるー!」
死「うるさい、それと連絡は取れるようにした」
ミ「我慢だよ」
ト「うぅ…」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!