第98話

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2019/12/05 14:34
『青なの?緑なの?』 



これが全ての始まりだった。


轟「分からねぇ、多分青だろ」


彼に声をかけたのはこれが最初。
目付きが鋭くちょっと冷たかったあの轟君が体育祭以降、天然な性格で目付きも優しくなった。
目付きの悪い、見ようとも思わなかったその目を見た時に1番最初に思った事は…"左目がすごく綺麗"って事。
自分の好きな物があると猫のように瞳のキラキラさせる。それを見てると少し微笑ましく思えて笑ってしまうと「どうした?」とキョトンとしながら聞いてくる
『何でもないよ』と言うとちょっとムスッとしてしつこく聞いてくるのだ。毎回白状しないと部屋に帰れない…






『でもすごく綺麗なんだよね』
轟「毎回言うな、それ」
『ミャアーw』
轟「お、」
『ヘヘッ』
轟「猫か?」
『うん!』
轟「猫、どこにいるんだ?」
『え?』
轟「さっきの猫だろ?」
『ん?』
轟「迷子にでもなったのか?」キョロキョロ
『え?w』
轟「すぐに助けてやらねぇと…」
『え、どこ行くの?www』
轟「猫、探す」
『待って待って!猫はいないよ!』
轟「いないのか?じゃあさっきのは…」
『私の鳴き真似だよ…』
轟「そうなのか?」
『うん…』
轟「そうか、」
『?』
轟「いや、鳴き真似がそっくりだなと」
『ありがと!』

上「おーいあなたー!ちょっと来てー!」
『あ、うん!』
グイッ
『へ?』
上「え?」
轟「悪いな上鳴、あなたは今俺と話してんだ」ギロ
上「あ…はーい…」
『どしたの、轟君?』
轟「いや、何でもねぇ」
『そう?』













『やーだー!!』
爆「ハッ、諦めろ」
『嫌ですぅ…』



急に始まった王様ゲーム。
また轟君は「王様ゲームってなんだ?」と始まり、なんやかんやで10分ぐらい説明していた。その間皆がなんかホワホワしていたような気が…
ちなみに今は…

芦「はい!」
葉「王様誰!?」
上「はーい俺!」
耳「上鳴か、んじゃあんま期待しない方がいいな」
上「酷!」
尾「まぁまぁ…」
上「んじゃあな…よしっ10番と3番がほっぺにキス!」
芦「キャアー!誰誰?!?!」
緑「あ!」
峰「緑谷か!?」
緑「いや、違う…」
峰「ちぇ」
緑「でも…」
飯「おや?」

轟「俺、3番だ」

上「クソォ!イケメン王子かよ!!」
耳「で、10番は誰なの?」

爆「お、」
『ギク…』
爆「おい、10番こいつ」
『爆豪君!?』





となったのだ…

『嫌だァ…』
爆「ざまぁw」
『ちょっと黙っててもらっていいですかー?』ギロ
爆「殺人鬼か、てめぇは」

耳「まぁまぁ、ね?ちょっとの辛抱だから!」
芦「それに相手は轟だよ?どこかの変態とかじゃないから!」
峰「お?」
『轟君だからダメなんだよ…』
八「まぁ、何故ですの?」
『いつもの正座タイムがまた延びるから…それに天然でしょ?いろんな意味でからかってくるよ〜!』

緑「と、轟君…?あなたさん、すごい悩んでるみたいだけど…って轟君!?」
飯「どこに行くんだい?轟君」
轟「強制的にやらせる」
2人「え?」

『無理無理無理…』
轟「あなた」
『わっ!!びっくりした!』
轟「嫌なのか?」
『え?』
轟「俺にキスするの嫌なのか?」
『いや…そのー…』
轟「どっちなんだよ?」

それだよ!その猫のオネダリの目を見せられると何も言えなくなっちゃうの!ってか絶対それわざとだよね…

『わ…分かったよ…』
上「やれやれあなたー!」
瀬「轟もいっその事お前の方からキスしたれー!」
緑「だ、大丈夫なのかな飯田君!?」
飯「本当に、いやいややらせるのは良くないぞ!」
切「でも王様ゲームってそういうルールだから…」
飯「うむ!なるほど!」
緑「いや、納得しちゃダメだよ!」




『ごめんね、轟君…』
轟「いや、いいよ。そういうルールなんだろ?だったらいい」
『ありがと。後、もう少ししゃがんで頂けるとありがたい…』
轟「これでいいか?」
『うん!じゃあ…』


chu


『恥ずかしい…』//
上「いぇーい!」
瀬「条件達成ー!」

轟「なんか、母さんの思い出すな…」
『轟君のお母さん?』
轟「あぁ、俺が笑顔になったり喜んだりすると必ず頬を撫でるんだ。今されたらちょっと無理あるけどな」
『轟君のお母さんもきっとすごく綺麗な人なんだろうな〜』
轟「あぁ、母さんは綺麗だよ」
『フフッ、自慢のお母さんだね!』
轟「!…あぁ!」

























冷「へぇ…じゃああなたちゃんって言うの?」
轟「あぁ」
冬「焦凍の初恋かな??」
轟「違ぇ」
夏「なぁんだ、違うのか…」
轟「なんでそんなに悲しがってんだ?」
冬「焦凍は分からなくていいよ」
轟「そうか」
冷「そう…でも焦凍にそんなお友達がいたのね、安心したわ」
轟「今度連れてこようか?」
冷「いいの?」
轟「あぁ、あなたの都合も合わせねぇといけねぇけど」
冷「ありがとう!」
夏「俺も会いたい!」
轟「夏兄は仕事してろ」ギロ
夏「怖…」
冬「私も会いたいなー!」
轟「休み会うのか?」
冬「えーっとねぇ…」
夏「え、なんで俺だけ会っちゃダメなの!?」
冷「フフッ」










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