第104話

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2020/08/03 15:57
轟「ふぅ…」


コンコンッ

俺はあの後,寮に帰ってからあなたの部屋を訪ねた。
確認したかったからだ。
俺はあなたにとってなんなんだ?そして,あなたにとって俺はなんだ?


『はーい』

轟「よぅ」
『轟君?どうした?』
轟「あの…単刀直入に聞くが,お前にとって,俺はなんだ?」
『………は?』
轟「だから_」
『うーん,一つかな』
轟「!,何だ?」
『ん………ちょっと庭に出て話そうか』



『さっき言ってた事だけど』
轟「あぁ。」
『まずは轟君から,聞かせて?』
轟「俺?」
『うん』
轟「俺は…」


『轟君にとって,あなたは何?』


轟「俺,は…」
『友達?』
轟「………そうだけど,少し違う」
『じゃあ,クラスメイト?』
轟「いや。」
『なら,仲間?』
轟「違う」
『なら,ヒントね』
轟「ヒント?」
『私のを先に言ってあげる』
轟「…」


『私にとって貴方は,猫みたいな人』


轟「猫?」
『うん。オッドアイで,意外と私の前では猫みたいに話してくれて,でも,誰でも面倒見ちゃう私としては,貴方は私が出会って来た人達の中で一番放っておけない人』
轟「それが,あなたにとっての俺か?」
『うん。でも,もう一つ』
轟「?」


『私はそんな轟君が,大好き』


轟「!」
『ちなみにこの"大好き"は付き合うとか,そっちの方だからね!』
轟「お前が,俺を?」
『ふふっ。私がこんなに誰かに感情移入してしまうのは轟君のせいでもあるかもね』
轟「悪りぃ。」
『ううん。それで,どう?分かった?』
轟「あぁ,分かった。」


ギュッ


『!』
轟「俺も,好き」
『轟,君?』
轟「だってお前,いつも俺の母さんみたいで,ずっと授業中も,斜め後ろで見守られてる様な気がして,凄く安心してたんだ。話しかけて来てくれた時も,話し方が母さんそっくりだって思った」
『そっか。』
轟「いつもお前が笑顔でいてくれるのが嬉しかった。次第に俺まで笑えて来て…オトコらしくて,カッコよくて,俺はそんなお前が好きだ」
『うん,そっか。私,幸せものだ。』





数年後。



私は,無事雄英高校を卒業し,プロヒーローとなった。
今,現在は_



炎「…。」
冬「…。」
夏「…。」
轟「…。」
『…。』


気まずさで,死にそうです!


轟「親父,俺はあなたと結婚する」
冬「焦凍…」
『…。』


前から,何回か話した事あるけど。
そんなに硬い人じゃないはずなのに,今日は一段とエンデヴァーさんですね。

↑何を言いたいのかな,私は。

遡る事数週間前,私はあの時の告白から,ずっと交際が続いていた。
そして前に,プロポーズを受けた。
私はもちろん受け入れ,私の両親も,


「良かったね」
「No.2ヒーローと,No.4ヒーロー…またすごい事になったな!」


と喜んでくれた。
そして今は轟邸へのご挨拶…。



冬「お父さん,お母さんには?」
炎「手紙で伝えた。」
夏「手紙?」
炎「火榁あなたさん,だったな」
『はい』


冷静に答えたけど,炎司さんが私の事さん付けしたよ。


炎「これを読んで貰いたい」
『手紙…?』


裏には,「轟冷」と書かれていた。


『冷さん…』



______________

火榁あなたさんへ。

お父さんからの手紙で,焦凍と
あなたちゃんが結婚すると聞
きました。凄く嬉しいわ。私,
何となく思っていたのだけれど,
あなたちゃんと焦凍はいつか
幸せな日々を過ごすパートナー
になるんじゃないかって思って
いたの。思い込みって凄いわね
ちょっとした事で直ぐに叶っちゃ
うのだから。きっと2人なら大丈
夫。あなたちゃん,焦凍を宜し
くね。焦凍は,小さい時に物凄く
辛い思いをしているわ。誰よりも
幸せになれる様に,あなたちゃ
んに手助けをしてあげて欲しいの
あの子も立派な男の子よ。貴女の
事を大切にしてくれるわ。どうか
あなたちゃんも焦凍と幸せにな
ってね。
あなたちゃん,ありがとう。

        轟冷

_______________




『ッ…』ポタポタ
轟「あなた?」


私は涙が出た。


炎「その手紙が,君に届けたい思いだろう。受け止めてやってもらいたい」
『はい…ありがとうございます…』
轟「…親父,姉さん,夏兄。受け入れてくれるよな?」
冬「もちろんよ」
夏「こんな美人さんお嫁に取りやがって!幸せもんだな焦凍!」
轟「ちょっ,夏兄…」


『炎司さん』
炎「…。」
『私は必ず,焦凍さんを幸せに出来ます。いえ,します。』
炎「実は,本当の事を言うと,元から君を選んでいた」
『え?』
炎「焦凍は良く顔に出るからな。思い他人と事は何となく分かっていた。後は実力だと思い,君をあの体験実習に誘っていたんだ」
『あの時のって,あの雄英の時の?』
炎「あぁ。実力も理に叶っており,文句なし。君は焦凍に相応しい人間だ。特に,君と一緒にいる時,焦凍は良く笑う」
『…』
炎「こちらこそ,焦凍を,よろしくお願いします」
『はい。』 








リクエストしてくださった方のコメントが消えていた…だと⁉︎

まぁ仕方ないか。

というわけで,リクエストありがとうございました!




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