第97話

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2019/12/04 09:25
黒「え?4人とも…ですか?」
『はい、ぶっ倒れてます』
黒「車は?」
『向こうに』



黒「おや…」
『…。』



4人ともトラックの中で倒れており、原因は全て私だった。

回想_


ス「スピード出し過ぎだって!」
ミ「お、かなり距離が置けた!」
死「よしっんじゃこのまま逃げきれ」
荼「馬鹿言うな、死ぬわ」
『とにかく…何とかやってみまぁ…す!』
ガコッ
荼「は?」

ウワァァァァァァッ!!!







『となり、この有様に…』
黒「とにかく、4人とも運びましょう。トガヒミコもトゥワイスも時期に戻ってきます」
『了解です!』



『荼毘さん、荼毘さん生きてますか〜?』
荼「死んでる」
『死なないでくださーい、部屋まで行ってくださいね?』
荼「無理」
『無理じゃないです!』

『弔君、起きてください』
死「…あ?あなた?」
『はい!あなたです!』
死「逃げきれたか?」
『逃げれました!』
死「よし、よく出来たな」ポンポン

…え?
今…頭を、撫でられた!?


"あなたさん…その人の事、大好きなんだね"



『…。』//
死「どうした?顔赤いぞ?」
『な、なんでもないです!!』///
死「…?」
『ちょ、ちょっと待っててくださいね!』
バタバタッ

死「なんなんだ、あいつ…」
荼「お前…愛されてんな」
死「は?」
荼「何でもねぇ」
死「どういう意味だよ?」
荼「だから何でもねぇ」
死「ねぇ事ねぇだろ!」
荼「キレんなよ…」









ト「あなたちゃーん!」
『おかえりなさ〜い!トガちゃん』
ト「仁くん、そろそろ戻ってください」
ト「俺は俺だ…!」
『重症ですね…』
黒「おかえりなさい、トガヒミコ。トゥワイスはそちらへ」
ト「分かりました!」
荼「おい、あなた」
『はい!』
荼「リーダーがお前の事待ってんぞ?」
『え?どうしてですか!?』
荼「"ちょっと待っててくれって言ってたから"とか言ってたが?」
『弔くん!?どこにいるんですかぁ!?』


荼「あいつも忙しいな」
黒「死柄木弔の面倒をよく見てくれるので助かってはいますがね」






『弔君!』
死「やっと来た」
『さっきはちょっとなんか変な気持ちになってたんです…ごめんなさい』
死「来てくれたらそれでいい」クスッ
『…ズルいです…』
死「何が?」
『カッコよすぎるんですよ…弔君は』
死「は?」
『かっこよくて…大好きなんです…』
死「…。」
バタ
死「あなた?」
『スースー』
死「寝た。おい、黒霧」
黒「はい…おや?」
死「寝た」
黒「どこでも寝るような方ですね。運びます」
死「おう…」
















何かに包まれているような気がする…
安心出来る何かに、すごく落ち着くいい匂い。
ここは夢の中。真っ暗な霧の中。
そんな所から見覚えのある、"中指を触れようとしないスタイル"の手を伸ばして来た
私はその手が弔君の手である事がすぐに分かった。
でも分かった瞬間、夢は終わった…



『ッ~!』
死「お、起きたか?」
『…え?』
死「本当によく寝るやつだな、後上着返せよ」
『あ、ごめんなさい』
死「…お前、もうすぐ誕生日だったか?」
『え?あ、はい!』
死「これやる」
『え?』


弔君が私に手渡した物は…"赤い"パーカーでした。


『パーカー?』
死「お前が寝てる間に買ってきた。これからはお前の誕生日、祝ってる暇がねぇだろうからな」
『ありがとうございます!』
死「…あなた」
『はい?』
死「だとしたらお前は可愛すぎるんだよ…」
『え?』
死「なんだったか?"カッコよすぎて大好きなんです"だったか?」
『い、言わないで下さい!!』//
死「だとしたらお前は可愛すぎる」
『可愛い?私が?』
死「他に誰がいるんだよ」
『えーっと…ん?』
死「もう1つお前その後に言った事あったよな?」
『あー…はい…』
死「あなた…」
ギュッ
『!』
死「大好きだ」

どうしてこんなに暖かいんだろう…
誰にも必要とされなかった今までの自分や全ての人間にされてきた事…
全てが頭の中によみがえった。
でもこうやって抱き締められると安心して、涙が出てくる。どうにか弔君にバレないようにと声を出さないようにしていた。

死「泣いていい、溜め込んでるもん全部泣け」
『…ッ~』

でもこんな事言われたら我慢できなくなってしまう…

敵連合が私を迎えてくれて、ここにいれば自分が生きる源になれると思っていた。そしてその予感は見事的中し、私は弔君の事が大好きになり…弔君も私事が大好きだと言ってくれた。
この人が野望を果たすまで…いや、それ以上の時まで私はこの…私の事が見える"番"について行く。




『グス…弔君』
死「ん?」
『私、これからもずっと弔君について行きます!』
死「…ありがとう」


もし、さっきの夢が実際にあったことで弔君の手を掴んでいたとしたら…私は粉々に割れていたのでしょうか?
それとも…












俺にずっとついて行く…そんなやつがいるとは思わなかった。
そんな事を言っても大体のやつの事は信じない、でもあなたなら信じてもいい。そう思えた。
パーカーだって…"大好きなんです"と言って幸せそうな顔で俺を見て寝ていった。
もしそれが寝言や妄想ではなく本当に思った事なら俺も大好きだった。俺らが全てを支配する時にはこの世は赤色に染まっているだろう…だから赤いパーカーにした。思っていた事が全て的中し、俺の元についてきてくれた。だったらその赤く染まる時にもあなたは俺の所にいる。



きっと信じていい…










"赤い"恋とは不思議なものですね。変な気持ちになったりびっくりしたりと。
何故赤いか…ですか?それはもちろんこのパーカーですよ、とても嬉しいし何より何かの気持ちが込められているような気がするんです。個性譲りですが…

















あなた…




弔君…







ありがとう












red_死柄木弔











MIRANさん、リクエストありがとうございました!





長かった…





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