第85話

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2019/10/12 06:21
死「…お前、あの時なにか見えたか?」
黒「あの時…とは?」
死「あの黒い薔薇があった…」
黒「あぁ…いえ、何も」
死「…そ。…黒霧」
黒「はい」
死「この前俺がいた路地裏に行け」
黒「…分かりました」












あの日から気になって気になって仕方なかった。
あの黒い薔薇。
俺には見えて黒霧には見えていなかった"あいつ"

なぜ俺だけ見えたのか…
あいつは隠れて何をしていたのか…
すごく気になった。












黒「ここです」
死「呼んだら来い」







まだあった、黒い薔薇。



死「・・・。」


見えそうで見えない
こいつは一体…


死「おい」
『・・・。』
死「お前は誰だ?」
『!』
死「前来た時お前が見えた」
『・・・。』
死「誰もいねぇから姿を見せろ」
『・・・。』








俺がそう言い、姿を見せたこの女は俺よりも小さいセーラー服を来たボロボロの敵だった。



死「…お前、なんでそんなボロボロなんだ?」
『…いじめられてるから』
死「悔しいと思わねぇのか?」
『…思わないよ…もう"殺しちゃった"から』
死「!」
『だから…見つからないようにして敵になってるの』
死「お前…俺の所来ねぇか?」
『え?』



普通、俺はこんな事しねぇけど…


『貴方は誰?』
死「死柄木弔…」
『死柄木…弔?』
死「あぁ、敵連合の1人だ」
『!』
死「俺らの仲間になれ」
『…いてもいいの?』
死「あ?」
『今まで…自分がいていい所なんてなかったから』





聞くと、いじめられ親にもうるさく言われ、自分の居場所がなかったらしい。
だから薔薇に隠れていたと…
何となく…先生の気持ちが分かる。俺を見つけてくれた、あの時の先生の気持ちが…



死「お前は俺の右腕だ」
『グスッ…ホント?』
死「あぁ」
『ありがとう!』

死「黒霧」


黒「はい」
死「こいつ、連れてくぞ」
黒「え?どなたで?」
死「…おい、隠れるな」

『すみません…見つかったのかと』
黒「どうも。黒霧と申します…行きましょうか」
死「ついてこい」








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