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第24話

イケメンに挟まれてスケベな修羅場?!


事故のキスだった。

怖いくらい無表情の遊佐くんは、私の上の風助くんを強引に引っ剥がす。
遊佐
遊佐
…邪魔

遊佐くんは私を立ち上がらせると、まるで自分のものだと言いたげに抱きしめる。

心美
心美
今のは事故でっ!
遊佐
遊佐
わかってる

彼は痛いほど私を抱きしめる。

少し苦しいけど、やっぱり遊佐くんの腕の中はしっくりくる。


でも突然、遊佐くんとは別の体温が後ろから私を抱きしめた。
その正体は、対抗心むき出しの風助くん。

二人に挟まれて、まるでイケメンサンドイッチ状態。
心美
心美
(な、なにこの状況!前には遊佐くんの鎖骨、うなじには風助くんの吐息…!)

スケベアー達もスケベシチュエーションに大興奮。

風助
風助
アンタ彼氏だっけ? 
オレはスケベちゃんの許婚なんだ
遊佐
遊佐
は?

睨み合う二人の間にバチッと火花が散る。
風助
風助
あれー?
あんま余裕ないみたいだけど大丈夫?
遊佐
遊佐
いや、
ただ“俺の彼女”に気安く触られんのが
不快なだけ

更にバチバチと火花が散る。
風助
風助
ただの彼氏だろ? 
オレはスケベちゃんの未来の旦那
風助
風助
それに今日からこの家に住み込みで、
花婿修行することになったんだ
遊佐
遊佐
は?!
心美
心美
(はい?!そんなの聞いてない!)

まるで黒豹と虎が睨み合うように空気が張り詰める。

その間でぎゅうぎゅうと押しつぶされる私は、前にも後ろにも逃げ場はなし。
心美
心美
(ふ、二人の熱が前後から伝わってきて……どうしよう!苦しいし、熱い!)
心美
心美
(前には包容力のある胸板、後ろには程よい硬さの腹筋……なんか、なんか幸せ!ってダメダメ、止めなきゃ!!)
心美
心美
や、やめようよ!
遊佐
遊佐
心美、こっち向け
心美
心美
っえ?! んーー?!

唇に触れる柔らかい彼の熱。

遊佐くんは突然私の唇を奪った。
心美
心美
い、今、キス!? しかも人前で!
遊佐
遊佐
したけど? さっきの上書き

目の前のドSがニコリと笑う。

顔に熱が集まり、鼻からは血が滝のように流れだす。


しかし、風助くんは全く動じず私の顔を強引に後ろに向かせた。
風助
風助
彼氏、そういう趣味なんだ? 
ならオレも遠慮なく
心美
心美
へ? ちょっ!
遊佐
遊佐
おい離せ!
風助
風助
スケベちゃん
見られながらキスすんのどうだった?
風助
風助
なんなら、オレともう一回…



風助くんのけだるげなハスキーボイス。

反則級のスケベゼリフが耳に響く。
スケベアー1号
スケベアー1号
キース! キース! キス祭りだ!!
スケベアー?
スケベアー?
いくのよ風助
熱いキスをぶちかましちゃいなさい!

スケベアー達が真っピンクのスケベアーも交え、私の頭の上をクルクルと踊り狂う。
心美
心美
(ダメ、そんな遊佐くんの前で……! そ、そんなのって、そんなのって……)


ゆっくりと近づく風助くんのギラついた瞳。

ダメだとわかっていても、スケベの本能が私の体の奥底で疼く。



キスまであと数ミリ……。

その時ーー
おじいちゃん
玄関先で何しとるんじゃ!!
わしの孫を殺す気か!!

怒鳴り声の先にはおじいちゃんが立っていた。



気づけば私の周りには鼻血の水たまり。

くらりと貧血で目を回した私を遊佐くんが優しく抱きとめた。












ゴーーーーーーン。



リビングの古時計が18時を告げる。

すっかり鼻血の止まった私とイケメン二人は並んで正座し、おじいちゃんからのお説教タイム。

ビリビリと痺れる脚がそろそろ限界。
心美
心美
おじいちゃんもう解放して!!
それに……花婿修行のこと、
どうして勝手に決めたの?!

説教をぶった切るように叫ぶと、おじいちゃんは口を閉じた。
心美
心美
私は遊佐くんが好きなの!
遊佐くんじゃないと鼻が疼かないの!!
心美
心美
鼻血が出るのは遊佐くんだけなの!!
だから許婚なんていらない!


半分やけくそな理論だけど、本当にそうだ。
いつだって私の鼻は嘘をつかない。
遊佐
遊佐
心美……

そう、
今みたいに嬉しそうにはにかんだ彼の笑顔が大好き。

つられて自然と頬が緩む。
おじいちゃん
そうは言っても
心美、お前が子供の頃に…
風助
風助
あーあ!! もういいわ
オレ、場違いみたいだし?

やる気を無くしたように立ち上がったのは風助くん。

急にさっきより何倍も粗雑な態度に変わった。
風助
風助
はーー、やってらんねー
オレ、勝てない勝負はしないんだ
それに正直オンナには困ってね―し

ひらりと手を振って足早に帰ろうとする風助くん。
心美
心美
え、待って!

立ち上がろうとしたその時、脚の痺れのせいでぐらりとバランスを崩す。
心美
心美
わ!
風助
風助
っ…!

とっさに肩を支えてくれた風助くんの目を見た瞬間、はっとする。

ギラついていたはずの目は涙で潤んでいて、幼い頃に見た寂しがりやの瞳を思い出す。
心美
心美
だい、じょうぶ…?
風助
風助
アンタ……
ほんとそういうとこ変わってね―な
心美
心美
え?





苦笑するように笑った彼は、ボソリと何かつぶやいて帰っていった。


風助
風助
諦めるの、やーめた
オレが、本気だしたらどうなるか
…見せてやる