姫宮『 私がいなくても 、もう大丈夫だよね 』
そう微笑んで 君は背を向けて暗闇へ歩いていく 。
その背中を追いかけて手を伸ばす 。
待って 、行かないで 、俺を 俺たちを 置いて行かないで 、ねえ 、
井上「 あなた 、っ 、、、 」
目を開けると 、見慣れた自分の部屋の天井に手を伸ばしていた 。
あぁ 、夢か 。
段々と現実に戻ってくる 。
不意に頬に触れると 、涙で濡れていた 。
井上「 もう3年も経つのに 、笑 」
そう一人呟いてから 時間を確認するためにスマホを開く 。
2022年11月4日 6時30分 、約束の時間には十分間に合う時間だ 。
ホーム画面は 6人で撮った最後の写真 。
俺たちが次の時代を作ろう 、そう6人で誓い合ったあの日 。
あなたが消えた 、あの日に撮った写真 。
井上「 、、準備 、しよ 」
今日はメンバー全員で集まることになっている 。
3年前のあの日から ずっと変わらない "5人"で 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!