リビングに行けば
そう言って微笑む彼は
2歳下とは思えないほど大人びて見えた
長男、ナムジュン
25歳という若さで芸能事務所の社長を務めている
とても頼りがいのある弟だが
少しドジでよく物を壊す←
仏壇に向かって目を瞑り手を合わせる
一昨年事故で他界した私たち四人の両親
アッパが亡くなってから跡を継いでナムが社長になった
当時23歳のナムはまだまだやりたい事があっただろうに
そう笑って何事も無かったかのように社長の座についた
もちろん反対する人達も居たが
弟の見方につき守ってくれたのがジンだった
あの時、本当に自慢の旦那様だと思っt
…………………………って、また……
いい加減頭から離れて欲しい……
可愛い弟に心配なんてかけたくない
そう思ってできる限り笑って見せた
よく分からない表情を浮かべて
私をじっと見るグクに少し焦ったが
その一言にホッと胸を撫で下ろす
ジユさんは長年わが家の家政婦さんとして働いてくれる
第2のオンマのような存在の人
テンションの高いジユさんのモノマネをすると
直ぐにいつもの低音ボイスに戻るテテ
たまにこの子は二重人格なんじゃないかと思う時がある
まぁ、ひとまず……
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!