本当にここで合ってるよね……!?
そう思ってメモを何度も確認するが
恐る恐る中に入り部屋番号を押す
暫くすると…
凄く低くて不機嫌そうな男性の声が聞こえた
そう言い終わると
再び低い声が聞こえ
オートロックの自動ドアが開いた
足を運びエレベーターで最上階へ
思っていたよりもすぐに着いたそこは
ホールすらも無駄に広くて居心地が悪かった
ピンポーン
部屋前のインターホンを鳴らし荷物を抱えて待つ
ホビが作ったアネモネのアレンジメントを見て
そう考えていたら扉が開いた
私から荷物を受け取った彼は
想像していたよりもカッコよくて
少しだけ自分と重ねてしまった
気づいたらそんな言葉を発していて
自分でも驚いた
慌てて弁解しようとしたが
そう言って彼は切なく笑った
これが、ユンギと私の最初の出会い
*アネモネ=儚い恋、恋の苦しみ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。