荼毘、立派にパパやってますか?
鈴蘭、パパの言うこと聞いてますか?
私は、ずっと上から見守ってます。
あなたたちの選んだ、ヴィランとして生きる道、
周りから『例えそれが許されずとも』、私が許します。
皮肉なものですね、
No.2のプロヒーロー、ブルームガールの娘と旦那はヴィランでした、なんて。
それもそれでまた一興。
一足先に上で待ってます。
鈴蘭の未来に幸あれと、
そして、悲しい思いばかりさせてきた荼毘に再び幸せが訪れることを祈りながら。
スズラン:
花言葉は『再び幸せが訪れる』
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『荼毘side』
16歳になった鈴蘭は、昔こそ父親似だったものの、今ではすっかり母親似だ。
髪をくくる仕草、何から何までそっくりなもんだから困る。
あなたの遺影の前に正座して挨拶をしてから出かける。
それが親子の決まり。
「行ってきます」
そうしっかりと伝えて出かける。
__行ってらっしゃい
その日久しぶりに、あなたの声が聞こえた気がした。
[完]
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。