第26話

別れが悲しいなら
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2020/10/20 03:57
家に帰ると、そこに荼毘の姿は無かった。




泣いた。ただただ泣いた。




好きだったビールも喉を通らなかった。

テーブルに置いてあった書き置きを見つけた瞬間、すぐにそれに目を通す。
『短い間だったが、楽しかった。


黒霧が迎えに来ちまって、もうここにはいられねえ。


きっともうそこら辺にはいねえと思うから、雨の中探したりすんなよ?


風邪ひいても看病してやれないからな。


あと、酒はほどほどに。


あと、パンツで寝ないこと。


あと、離れていても愛してる。』
あなた
なんでよ…一言言ってから出ていってよ…っ
あなた
こんな急だと、辛いじゃん…っ
夜通し泣いて、気がつけば朝になっていた。



ああ、今日またあの男に会わなきゃならない。



どうしたらいいかなんてまだ何も策は立ってないのに…



涙をぐっと拭って、「私は何もかも耐えてきた強い子」と自分にまた言い聞かせる。



そうよ、何もホークスは結婚してくれなんて望んでるわけではない。



ただヨリを戻してくれるのを願ってるだけなんだから。




適当に戻して、適当なところで別れてやればいい。




今は、この選択肢をとることで傷つけてしまう相手もいないのだから。

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