ガタッと物を落とす音が廊下で響く
私の視界には大好きな人と女の子が隣で仲良く歩く姿がめいっぱい映る
そして2人はそんな私に気付く訳もなく、手を絡めて歩いていく
廊下にはペンケースの中身が飛び散っていた
ぼぅっと突っ立ってないで早く拾わなくちゃ………いけないのに、
声を押し殺しても漏れてしまう涙に私は動けなくなってしまう
私が泣いてるなんて思ってなかったのだろう、急いで中身を拾って私の手を取り立たせてくれた
いつにもなく焦っている彼がなんだか少し可愛らしく見えてしまう
電気ってそういう気遣いできるんだ
いつもデリカシーのない変態かと思ってたから意外((
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_____side denki.
扉の閉まる音がする
勢いよくベッドに飛びつきうつ伏せになった
俺、上手く笑えてた ?
ちゃんとアイツにとってカッコよく見えてたかな ?
考え始めてはキリのない後悔にぶわっと涙が溢れてくる
ずっと目で追ってたんだから
なんでソイツなんだよって思うこともあった
でもそれは仕方がないことってのは痛いほど知ってる
絶対毎日笑顔にさせるのに
君が振り向いてくれるまで俺は諦めないから
end
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!