第4話

知ってる
920
2021/07/17 09:18










ガタッと物を落とす音が廊下で響く














私の視界には大好きな人と女の子が隣で仲良く歩く姿がめいっぱい映る














そして2人はそんな私に気付く訳もなく、手を絡めて歩いていく
あなた

ッ…….!!



廊下にはペンケースの中身が飛び散っていた













ぼぅっと突っ立ってないで早く拾わなくちゃ………いけないのに、
あなた

ッ、ぅ…う"ッ



声を押し殺しても漏れてしまう涙に私は動けなくなってしまう









でんき
……はぁ、何してんの
あなた

ぇ、でん、

でんき
ぇあッ、まっ何で泣いて…!?
私が泣いてるなんて思ってなかったのだろう、急いで中身を拾って私の手を取り立たせてくれた














いつにもなく焦っている彼がなんだか少し可愛らしく見えてしまう

でんき
えと…大丈夫、かよ ?
あなた

う~~ん、まぁなんとか、笑

あなた

ごめんね、びっくりしたよね、笑

でんき
別に謝んなくていーってw
でんき
あなたもなんかあったんだろ、深くは聞かねぇけどさ


電気ってそういう気遣いできるんだ














いつもデリカシーのない変態かと思ってたから意外((
でんき
………暗いしそろそろ寮戻らね ?w





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_____side denki.




you.
じゃ、今日はほんとありがとね笑
でんき
いーってことよ
you.
ん、w……おやすみ


扉の閉まる音がする


でんき
……おやすみ





勢いよくベッドに飛びつきうつ伏せになった
でんき
ッはあ"あ"あ"あ"
でんき
ッたく、ほんと、……!!
俺、上手く笑えてた ?









ちゃんとアイツにとってカッコよく見えてたかな ?









考え始めてはキリのない後悔にぶわっと涙が溢れてくる



でんき
なんで泣いてんのかぐらい知ってるよ


ずっと目で追ってたんだから














なんでソイツなんだよって思うこともあった














でもそれは仕方がないことってのは痛いほど知ってる
でんき
俺だったら泣かせたり、しないよ


絶対毎日笑顔にさせるのに
















































君が振り向いてくれるまで俺は諦めないから









end

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