第4話

第1章−2
110
2020/09/07 12:13
掃除機をかけた部屋は
幾分かマシに見えた

カララ

空気を入れ替えるために開けた窓から
柔らかな風が入り込んでくる


「すご!滅茶苦茶桜綺麗じゃね?!」


ダメだな
今日はあいつが


「マジ!?ありがとう!」




美沙
産まれた日…か
本当なら
本当なら今年で23だったのにな

ダメだ

思い出すな

やめろ

くるな


ガタッ


棚にぶつかってしまった

その衝動で一枚の写真が落ちる

俺は家を飛び出した

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