第3話

第三話
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2020/03/17 14:44



ある夏の日の事

さとみ
さとみ
なぁころん!これ!
ころん
ころん
ん?


するとさとみくんは、僕に青色の小さないちごの形をしたものを渡してきた

さとみ
さとみ
これ、キーホルダー!
俺とお揃いだぜ!ほら!
ころん
ころん
え、いいの!

やったー!さとみくんありがとう!大好き!
さとみ
さとみ
ははっ(笑)
絶対無くすなよ?
ころん
ころん
無くさないよ!
さとみ
さとみ
じゃあ、約束な?
ころん
ころん
うん!
友達
友達
なぁころーん、今日一緒に帰らね?
さとみくんと一緒に帰ろうとしたところで、友達に声をかけられた

でも僕には"好きな人"がいるから、もちろん断った
ころん
ころん
僕今日友達と帰るから、他の人と一緒に帰って!

じゃーねー!
友達
友達
…………チッ
ころん
ころん
……なに?
友達
友達
あ、なんでもねーよ、じゃあな。



それから、あの友達と話す事は少なくなった。

でも僕にはさとみくんという一番大切な"友達"がいたから、そんなことなんてどうでもよかった。

だってさとみくんは僕以外に友達がいないんだよ?

つまり僕しか話相手がいない。僕にとってはとても好都合だった。


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ある日の朝の事



ころん
ころん
な、なにこれ……
僕の机の上に、墨のようなもので落書きをされていた
ころん
ころん
だれが……

あっ、さとみくんが来る前に、早く消さないと……
僕は急いで雑巾を水に濡らし、墨でぐちゃぐちゃになった机をふいた

たまたま最初に教室に入ったのはラッキーだった

この落書きを誰にも見られず済んだから

その日、僕は何も無かったかのように一日を過ごした

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