第5話

第五話
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2020/03/17 15:41
その日から僕へのいじめはどんどんエスカレートして行った。

靴を隠されたり、物を投げられたり……

ついには、さとみくんがくれたキーホルダーまでゴミ箱に捨てられた。

僕はゴミ箱の中に手を突っ込み、必死でそれを探した。
ころん
ころん
はぁ、はぁ……あった……
生徒
生徒
うわぁ、きったな!
友達
友達
臭いから、早く帰ろうぜ
生徒
生徒
おう!
ころん
ころん
う……グズ
なんで…………



いじめは、夏休みに入っても変わらなかった。

「机に落書きした」とメールが送られてきて、消しに行ったら暴力を振るわれる。

もう毎日が最悪だった。

でも、さとみくんとメールでやり取りしている時は、とても幸せだった。

さとみくんがいたから、まだ生きていようと思った。




ある暑い朝の事。


僕はいつも通り、さとみくんとのトーク画面を開いた。

ころん
ころん
「おはよう」
さとみ
さとみ
「おはよぉ。」
ころん
ころん
「ねぇ、今日海辺の踏切までこれない?話したいことがあるんだけど」
さとみ
さとみ
「いいよー、いつ?」
ころん
ころん
「今から」
さとみ
さとみ
「今から?!」
ころん
ころん
「だめ?」
さとみ
さとみ
「まぁ、いいよ、りょーかい。じゃ、後でな」
ころん
ころん
「うん、ばいばい。」



もう、今日で全部終わりにしよう。

追い詰められた僕は、今絶望の淵に立って…………

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