川西side
今日は夜通しでメンバー全員自主練してた。
みんな忙しそうだったから、
俺がコンビニに差し入れを買いに行った時。
『……あなたちゃん?』
ふとあなたちゃんの香りがしたんだ。
いやキモイって思うなよ?
あなたってまじでいい匂いなんだよ、
自然体な感じの。
ってまぁそれはいいんだけど!
それで姿探したらちょうど店を出たところで、
急いで追いかけようって思ったんだけど
『………危な、万引きするところだった…』
急いで会計を済ませた。
そしてコンビニを出て、あなたちゃんを探す。
……が、暗いせいでどの方向に行ったのか分からなかった。
そのとき、声が聞こえたんだ。
"いや!!!離してっ、!"
あなたちゃんの声だ。そう確信して走った。
それで…今に至るのだが……
申し訳ない、
もう一度言う。
申し訳ない。
泣いてる姿すら可愛すぎるんだよ!!!!!!!!
俺事前に謝ったからな?許せ。
本人は怖い思いをしたのは百も承知。
でもやっぱ、涙目で上目遣いをされると結構グッとくるんだ。
俺は急いでメンバーを呼んで、あなたを宥める。
意外と早くメンバー達が来ると、
"大人数の男性"ということにまた恐怖を覚えたであろうあなたが、震え出す。
俺は優しく手を握り、頭を撫でる。
それでもまだ収まらない。
だから、俺は……
手を引き、立たせてから、ギュッとした。
人ってハグすると安心するって。
拒否られないか怖かったけど、受け入れてくれた。
強く抱きしめるけど、優しく背中を撫でる。
そうすると、安心したのか震えと涙は収まってくれた。
良かった。
メンバーが近づいてきたので、
俺は離れようとした。
だが、
高橋「…離れないでっ、」
ギュッと抱きしめ返された。
『…わり、』
あなたなりにギュッと俺に必死に抱きついてるのが可愛い。
そんなに強く抱きしめなくても離さないよ、
俺は、この日から
決定的にあなたに恋をした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。