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第3話

episode 自己紹介
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴った。入学式を終えた生徒たちが、次々に教室に入ってくる。
志桜里
志桜里
(これから何するんだろう…自己紹介…とか?…まさかね。)
そんなことを考えながら、志桜里は席に着いた。
黒板の前に、眼鏡をかけた女が立った。彼女が志桜里の担任になる教師だ。
先生
先生
初めまして。今日からこのクラスの担任をさせていただく神崎蘭です。これからよろしくお願いします。
先生
先生
早速ですが、50音順に自己紹介してもらいましょう。
では最初、新河さん。
新河和斗
新河和斗
はい!
志桜里の思っていた事が現実になってしまった。彼は元気よく黒板の前に立って話し出した。
志桜里
志桜里
(うわ〜!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ〜!!)
現実逃避したいのか、志桜里は必死に頭を振る。
先生
先生
甘露寺さん。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
はい!
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
私は甘露寺蜜璃と言います!好きな食べ物は桜餅です!これから1年間、よろしくお願いします!
「おお〜…」という声がチラホラと聞こえてるくる。男子だ。「おお〜…」の声は、何か変な目で見ている時の声のように思えて、志桜里は寒気がした。
先生
先生
胡蝶さん。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
はい。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶです。うーん…そうですね、好きな食べ物は…生姜の佃煮ですね。まあ、これからよろしくお願いします。
ニコッと微笑んだ彼女の顔を見た男子が、「うおっ」と言う小さな声をあげた。
志桜里
志桜里
(何だ今の声…)
志桜里
志桜里
(その『うおっ』の意味は…)
先生
先生
野口さん。
野口桃夏
野口桃夏
はーい!
だんだんと志桜里の番が近づいてくる。後3人紹介したら、志桜里の番だ。
そしてついに…
先生
先生
鈴燈さん。
呼ばれてしまった。
志桜里
志桜里
は…はい。
乗り気ではないが、志桜里は黒板の前に立った。生徒の視線が一気に集まる。冷や汗が出る。なんせ40人以上いるクラスなのだから。
志桜里
志桜里
(ど、どうしよう…)
何も考えていない。まさか自己紹介なんてすると思わなかったからだ。教室の中に、沈黙が走る。チラホラ、小さな声で「…ん?」という声も聞こえる。
先生
先生
先生
先生
鈴燈さん?
先生
先生
自己紹介してください。
志桜里
志桜里
はい…え、えっと…
この空気を、どう持っていこうか。あれこれ考えているうちに、頭が痛くなってきた。
志桜里
志桜里
(やばい…!!)
恥ずかしくなり、目をギュッと瞑る。制服を握る手の力が、だんだんと強くなっていく。
どうしようもなくなってしまい、教室を見渡す。すると…
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
杏寿郎と目が合った。杏寿郎は口元に手を当て、何かを言っている。
志桜里
志桜里
(ん…?)
まじまじと見てみる。と、志桜里は気づいた。
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
《頑張れ!!》
確かにそう言っていた。口パクではあるが、間違いない。志桜里の方を向いて、《頑張れ!!》と…。
志桜里
志桜里
っ…!
志桜里
志桜里
わ…私は、鈴燈志桜里、と言います。す、好きな食べ物は…八ツ橋、です。
志桜里
志桜里
これから1年間、よろしくお願いします…!
最後の挨拶を、できるだけ大きな声で。



パチパチ…
拍手がわく。しのぶと蜜璃の笑顔がすぐ側で見える。
志桜里
志桜里
…!
志桜里
志桜里
(最後まで…言えた…!)
杏寿郎の方を見る。笑顔で拍手をしていた。よくやった!とでも言うかのように。
先生
先生
じゃあ次。煉獄さん。
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
俺は煉獄杏寿郎だ!好きな食い物はいもの味噌汁!これからよろしく頼む!以上!
ほんの数秒で終わってしまった。杏寿郎は満足そうに席に戻ってくる。
杏寿郎が志桜里の席をすれ違った時、志桜里は何故か、肩に暖かいものを感じた気がした。

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姫鏡
姫鏡
初めまして!姫鏡と言います!青春やアニメ(鬼滅の刃とか)の小説を中心に書いていこうと思います! 私の小説が気に入っていただけたら嬉しいです! 後、投稿するのは初めてなので、もし権限なんかを侵害する画像を使っていたりしたら教えてください🙏💦
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