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第4話

episode 大切な物
自己紹介も終わり、皆が帰り支度をしている。
志桜里
志桜里
ふぅ〜…終わった…
一気に力が抜け、背もたれにもたれかかってしまう。
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
お疲れさん!よかったぞ!
後ろから杏寿郎が話しかけてくる。その声は例えようがないくらいに陽気で、何かとても嬉しそうだった。
志桜里
志桜里
杏寿郎くん。さっきはあの…ありがとう。
志桜里
志桜里
と、ところで…なんでそんなに嬉しそうなの?
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
む?ああ、決まっているだろう?
杏寿郎はニカッと笑い、志桜里の肩をポン、ポンと叩いた。
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
君があそこで勇気を出せたからな!それが嬉しい!
志桜里
志桜里
…え?
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
君はあの時、俺の発した言葉を受け取ってくれたじゃないか!それが嬉しいのだ!
頬を少し赤らめて、ケラケラと笑う杏寿郎。その姿を、志桜里はじっと見つめた。
志桜里
志桜里
…。
志桜里
志桜里
(この人…凄い優しいんだな。)
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
どうした!俺の顔に何かついてるか!
志桜里
志桜里
いえ、何も。
志桜里
志桜里
ありがとう。
思わずはにかんでしまう。似合わない顔だが、今は別にどうでもよかった。
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
っ。
志桜里
志桜里
あ、帰り支度しないと。
志桜里は立ち上がり、ロッカーの方へ歩いていった。
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
(なんだったんだ、あの笑顔は。)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
今日は入学初日のため、午前中に帰宅。皆が同じ中等部だった子と帰っている。そんな中志桜里は高等部からの生徒だったから、初対面の志桜里に「帰ろう」と話しかけることはなかったのだ。
志桜里
志桜里
(よし、帰ろう。)
通学鞄の中身を確認する。今日もらった新しい教科書、筆箱、水筒。後は…
志桜里
志桜里
うーん…あれ?
1番大切な物がない。高等部の通学鞄に付けようと思い、小さなポケットの中に入れていたのだ。
志桜里
志桜里
どこだ…?
辺りを見回してみる。それらしきものはない。
志桜里
志桜里
(どうしよ…あれ無くしたら結構…)
その場に立ち尽くしてしまう。興味本位で材料を買って作った物だが、何年間もの志桜里の思いが詰まった大切な物なのだ。
とっくに生徒も帰ってしまい、もう帰ろうかと思ったその時、誰かの手が志桜里の目を塞いだ。
志桜里
志桜里
ひゃっ!
ふふ〜、だーれだ!
志桜里
志桜里
そ、その声は…蜜璃さん?
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
あたり!
蜜璃は志桜里の顔を横から覗き込み、ぱっと笑う。
そして志桜里と目を合わせ、じっと志桜里を見つめる。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
も〜、蜜璃でいいよ!
少し頬を膨らませ、不機嫌そうに言った。
志桜里
志桜里
え、え?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
蜜璃さん。あまり鈴燈さんの事を困らせちゃいけませんよ。
後ろからしのぶの声も聞こえる。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
あ、そういえば…
志桜里
志桜里
しのぶは制服のポケットから綺麗にたたんだハンカチを取り出した。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
これがロッカーの近くに落ちていたのですが…。
そう言ってしのぶはハンカチを開いた。そこにあったものは、キラキラした雪の結晶のストラップだった。
志桜里
志桜里
…!
志桜里
志桜里
それ…私の…!
しのぶが持っていたそのストラップは、紛れもない“大切な物”だった。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
あら、貴女の物だったのですね。
志桜里
志桜里
ずっとずっと探してて…!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
ふふ、はいどうぞ。
手渡されたストラップを受け取り、ギュッと握りしめる。
志桜里
志桜里
ありがとうございます…!
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
すごい綺麗ね!どこで買ったの?
志桜里
志桜里
あ、え、えっと…自分で作りました…。
少し恥ずかしそうに、志桜里は伝えた。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
え!?ほんとに!?すご〜い!!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
凄く手先が器用なのですね。とっても素敵…。
その時蜜璃がはっ、と何か思いついた。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
そうだ!この高校校則緩いからさ!作って来てよ!私としのぶちゃんのストラップ!
志桜里
志桜里
え…私が、ですか?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
蜜璃さん。いくらなんでもわがままが過ぎますよ。志桜里さんも忙しいでしょうし…。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
もちろんタダとは言わないよ!私は美味しい桜餅持ってくる!しのぶちゃんもなんか持ってくれば、それでオッケー!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
そういう問題では…。
志桜里
志桜里
あの…私でいいんですか?時間とかは全然大丈夫なんですけど…。なんか、私が作るっていうのも…。
おそるおそる聞いてみる。
すると、2人は一瞬きょとんとして、2人で笑い始めた。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
あはは!おっかし〜!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
何言ってるんですか。私も志桜里さんと仲良くしたいです。迷惑でないのなら…私のストラップも作っていただけないでしょうか?
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
そうそう!
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
しのぶちゃんはオシャレだから、今度オシャレのテクとか教えてもらおう!
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
ね!志桜里ちゃん!
志桜里
志桜里
え、えっと…。
志桜里
志桜里
あ、ありがとうございます…!
志桜里の頭の中は、いろいろ混乱しているが、心の中が、暖かい物で満たされた。
志桜里
志桜里
頑張って作ってきます…!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
じゃあ私は…何か甘い物でも持ってきますね。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
やった!楽しみ〜!
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
さあさあ志桜里ちゃん!これからいろいろ聞きたいことあるんだ〜!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
一緒に帰りましょう。私もたくさん話を聞きたいです。
志桜里
志桜里
は、はい…!
いかにも女子、という会話をしながら、3人は帰っていった。

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姫鏡
姫鏡
初めまして!姫鏡と言います!青春やアニメ(鬼滅の刃とか)の小説を中心に書いていこうと思います! 私の小説が気に入っていただけたら嬉しいです! 後、投稿するのは初めてなので、もし権限なんかを侵害する画像を使っていたりしたら教えてください🙏💦
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