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9時
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カランカラン
イラッシャイマセー
『待っておりました』
『こんばんは。』
『今日は誠也、いえ、玲音について話が』
『玲音は…』
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『なのではと考えられています。』
『そして、次に記憶を消す手術についてですが、』
『リスクはありますが、今はこれが最適かと考えておりまして』
『わかりました。ではこちらで手続きを致しますので、日程が決まり次第お知らせいたします。』
『あ、あとですね、』
『玲音にこのことを直前まで、いや、玲音にはなんにも言わないでください。』
『奴は、貴方方には記憶喪失と話していますが』
『ただの嘘、だと思われます』
『なのできっと話すと手術を受けないよう、逃げたりなどすると思われます。』
『なので絶対に話さないでください』
『いいですか、絶対』
『ですよ?』
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嘘だ。ほんとは私だって不安だ。
手術後、どうなるかわからないし、
本当にまた人を殺すとなったら大変だ。
私も不安でしかない。
でも、ここは私が強くいなくちゃ。
亜弥と舞弥を不安にさせないように。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!