教室に戻った時、先生に言われた。
『後で来なさい。』
私は、行きたくなかったけど、皆が見てる前で断る勇気がなかった。
『はい。』
そう言うしか無かった。
私は、授業が終わって欲しくなかった。
でも、終わってしまった。
そして、私が先生の方へ行こうとした時、奏が助けてくれた。
『逃げよう!未優ちゃん!』
私は、そう言われた事が嬉しかった。
だから、言った。
『うん!』
そして、奏は私の腕を引っ張っていった。
先生は、気づいてなかった。
その後、奏が話してきた。
『ごめんな。迷惑だったら。連れてきたの不味かったかな?』
私は、即で答えた。
『そんな事ない!』
奏は、少し笑った。
私は、顔が真っ赤になった。
その後、奏が言った。
『良かったー。』
私は、前の奏に戻ったみたいで嬉しかった。
この時間が終わって欲しくない。
そう思った。
『じゃあ戻ろっか。』
そう言ったのは奏だった。
私は、『うん。』と言った。
そして、戻った。
その時、私の方に視線を感じた。
この時の私は、何でか、まだ知らなかった。
でも、授業が終わって、トイレに行った時に分かってしまった。
私がトイレに入ってる時に話していた。
『未優ちゃんさ調子に乗ってるよね?奏に近づいさ。忘れられてんだから諦めればいいのに。奏も嫌がるでしょ。しつこ過ぎると。』
私は、それを聞いた時、恐怖になった。
きっと、私がいないと思っているのだろう。
だって、教室では、そんな素振り見せなかったから。
その時、私は思ってはいけないことを思ってしまった。
そもそも、あの事故さえ無ければ、こんな事には、ならなかった。
あの子供のせいだ。
あの子供さえ居なかったら、こんなことには事にはならなかった。
いや、あの子供が事故にあえばよかったのに。
私は、教室には行きたくなかった。
嫌な予感がしたから。
だから、カバンを教室に置いたまま家に帰ってしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。