第3話

記憶喪失
350
2018/02/26 04:10

〜病院〜



私が病院に行った時、手術中だった。


椅子には、奏のお母さんが泣きながら、祈ってた。




その隣に、知らない女の人と女の子がいた。



そして、『すいませんでした。私がこの子を見ていたら、こんな事には・・・』と言っていた。



私は、奏のお母さんに声をかけようと思ったが、今は、やめた。


その時、奏のお母さんは言った。



『奏は、優しい子なんです。だから、きっと、守ってあげたんですよ。あなたの子は、怪我は、ありませんでした?』





『大丈夫でした。本当にごめんなさい。』



『良かった。』



奏のお母さんは、優しい人だ。



きっと、その優しさは、奏でにも遺伝したのんだ。



その時、思った。



それと、同時に疑問も起きた。


奏は、小さい子を守って、事故にあった。


そう言うことだろうか?


話が終わったみたいだったので、私は、今来たかのように、奏のお母さんの方へ行った。




『奏は、生きてますか?』



私は、率直に聞いた。


『大丈夫だよ。きっと。』



奏のお母さんは、言った。




私は、もう1度聞いた。



『奏は、何で事故にあったんですか?』


奏のお母さんは、涙を拭いて、下向きながら話してくれた。

『奏は、その隣にいる子供を助けたのよ。車にひかれそうでね。そのかわりに、奏がひかれたの。』



そう言うと、また涙が出てきていた。



『奏は、優しいですね。だから、きっと、まだ生きてくれますよ。』



私は、目に涙が溜まっていて、もう溢れそうだった。



その時、手術中の光が消えた。



手術が終わったのだ。




奏は、どこかに運ばれていった。


そして、病院の人が来た。



『手術は、成功しました。だが、もしかしたら、後遺症が残っているかも知れません。すいません!』


病院の人は、頭を下げた。




奏のお母さんは、安心したような、驚いているような、顔をしていた。



『ありがとうございました。良かった・・・。』




私も、言った。



『ありがとうございました。奏、生きててくれて良かった。』



わたしと奏のお母さんは、奏のいる病室に行った。





子供とその子供のお母さんは、その後、『また来ます』と言って帰った。




奏は、5時間程して、目を覚ました。



その間の5時間は、学校の女子や男子が沢山来ていた。


奏が目を覚ますと、私は言った。




『奏、良かったね。生きててくれてありがと。』



でも、奏は、言った。

『誰?』




私は、『えっ。未優だよ。』と言った。



『知らない。』



奏は、言った。



すると、お医者さんが来て、『これは、一時的に記憶を失っているだけですね。個人差にもよりますが、すぐに思い出すでしょう。』と言った。




私は、悲しくて、泣いてしまっていた。




だから、私は、病室から出ていってしまった。






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