第20話

真実
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2018/08/23 11:35
ここは夢の中だろうか?






真っ白で何もない世界に私だけが居る。













『未優!!危ない!』














誰かの声がした。













遠い昔に聞いたことのあるような感じがする。














その時だ!!













真っ白でなにも無かった場所から誰かの家に来てしまった。












その家には、血が飛び散っている。














それに、誰か倒れている……!












女性と男性だ。













その前には刃物を持った人がいる。










全身真っ黒な服装で、顔が隠れていて誰だか分からない。
















私が見ていると、真っ黒な服装をしている人が私へと近づいてきた。












だが、私を通り過ぎて行った。












私は気になり、後ろを振り向くと、私がいた。


















五年生ぐらいの私だろうか。












私が見てられなくて目をつぶった時、高校生ぐらいの男の人が私を助けた。















私はその人を「お兄ちゃん」と呼んでいた。










その時、その男の人は私に言っていた。









『家を出て逃げろ!助けを呼んで来てくれ!俺がこいつを止めてるうちに……。早く!』












すると、私は玄関まで走っていった。











その時、男の人は叫んだ。












『未優!絶対生き残れ!それと、今までありがとうな!』













そう言って、男の人は倒れた。














私はその事に気付かず、家から出ていった。














そして、奏の家まで私は走って行っていた。















奏の家まで無事に着くと、私は泣きながらもちゃんと説明していた。














奏の後ろにはもう一人居た。













奏と見分けがつかないほどに似ている。














私はその人を、「響」と呼んでいた。













そこで私はまた、真っ白で何も無い世界に戻された。









その直後、誰かの声がし出した。







『未優…。俺は奏だ。もう俺は死んでいる。気をつけろよ、未優。騙されるな!』











『未優!よく逃げきれたな!安心したよ…。だがな、この事件はまだ終わってない。犯人は捕まってない…。真犯人がいるんだ。未優は顔を見ただろう?』













『未優。ごめんね…。一人にしちゃって。でも、お母さんは未優をいつでも見守っているからね。だから、思い出して、全てを。そして、未優がこの事件を終わらせるのよ。未優しか知らない真実で。』











『未優!父さんだ!ごめんな。最後まで見守ることが出来なくて……。未優はな、思い出すが嫌だと思うから思い出せないんだ。思い出そうとすれば、必ず思い出せる。思い出して事件を解決してくれ……』
















そして、私は目を覚ました。













私は保健室のベットで横になっていた。













今のは夢じゃない。









全て思い出した……!












その時だ!














奏が私の様子を見に来た。













いや、違うか……。













響が来た!













『大丈夫か?』











響が聞いてきた。








私は深呼吸を一度し、言った。









『どうだろう。でもね、思い出したんだ、響。もう演技しないで!私に関わらないで!』













私は保健室を飛び出して行った。













つい、大きな声で言ってしまった。














でも、しょうがないじゃん。












私の家族と奏を殺したのは響なんだから…。












信じられないけど、真実だ。
















何でこんなことをしたのか分からない…。









優しかったのに……。






『ねぇ、お兄ちゃん、お母さん、お父さん、奏、私はこれからどうしたらいいの?』












私はそう呟いた。











その時、私の頬には透明なものが伝っていた。


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