第4話

感覚
365
2018/05/12 11:46
私は、その後は、奏と会ってない。



奏は、一週間程して、学校に来た。


〜学校〜



私は、試しに、奏を呼んでみた。



『奏!』


『誰?』


その時、男子が言った。



『お前、覚えてねーの?俺らの事覚えてんのに?』



『そうだっけ?話したことない気がするけど。』



そう言った。


『奏やばいって。本人のいる前で。それに毎日話してたよ。』



女子が言った。



『えっ。マジで?』



『そうだよ』



私は、私だけ覚えてない事が分かると、悲しくなった。


だから、教室を飛び出してしまった。



チャイムが鳴った。


でも、私は、授業に出なかった。




屋上にいた。




〜教室〜



『あれ?乙坂さんいないね。知ってる人いる?』

先生が言った。


その時、女子が言った。


『未優ちゃんなら、授業始まる前に、泣いて、教室から出ていってました。』






その時、奏が立ち上がった。






『先生、俺、探してきます。』



そう言って外に出た。




〜屋上〜





『あっ、いたいた。さっきはごめん。本当に覚えてなくて。』




そう言いながら、近づいてきた。


私は、驚きすぎて、声が出なかった。





『ううん。大丈夫。』



その後、少し沈黙した。


でも、探しに来てくれただけでも、嬉しかった。



『戻らないの?私は置いてっていいよ。』




『なんで?一緒に戻ろうよ。』



『サボりたい気分だから。』






『だめー!ほら行くよ!』



無理やり引っ張られた。







私は、無理やりだけど、一緒に歩けてるから嬉しかった。







そして、私は言った。






『何で探しに来たの?』










『何か身体が自然と動いたから。』








奏は、そう言った。









私は、感覚は残ってるんだと思うと嬉しかった。








少しづつでも、思い出してくれてかなと期待してみることした。

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