第29話

真実か嘘か
107
2018/10/19 12:11
喉が乾き、私は目を覚ました。














水を飲みに行く前に私は時間を確認した。










まだ四時だった。










私は水を飲んだ後、ベットに横になった。











けど、眠れなかった。










だから、私は響の書いた日記や手紙を読み返した。












何度読んでも涙は出てきてしまう。






その時、日記に一粒の透明な物が落ちた。









『響……私はどうすればいいの……』















私は俯き、呟いた。













もし、この能力が誰かにバレてしまえば私も誰かに狙われるだろう。





















犯人が見つれば、もうこんな能力はどうなっていい。














でも、犯人が見つかるまでは誰にも渡すわけにはいかない。













何度も読み返しているうちに五時を過ぎていた。













『今日から学校行かないと……』










そう呟き、制服に着替えた。
















『響、行ってくるよ!』











響の写真に向かって言った。














もっと、もっと、沢山撮っておけば良かった。












今更、後悔しても遅い……。















『行ってきます』

















私は少し早めに家を出た。














赤い車を見つけるために。













見つかるまで、何度でもあの場所へ行く。












絶対に見つける!


















私はギリギリの時間まで赤い車を待ち伏せした。















立ち去ろうとした瞬間……見つけた!!









赤い車は駐車場に止まった。











『すいません!』











私は急いで近づき、赤い車の窓をノックした。
















『未優ちゃん、どうしたの?』











乗っていたのは響のお母さんとお父さんだった。













『見つけたので、話しかけただけです。車、新しくしたんですか?』











響の家に止まっている車は黒だ。










朝、確認してきた。











『そうなの。前に響が、赤い車欲しいって言ってたの。もう、遅いんだけどね…』











響のお母さんの瞳から透明な物が一粒流れた。










『そうなんですね。』










新たに分かったことがある。













響のお母さんとお父さんは共犯だ。











ただ、響のお母さんが流した涙は本物なのか、嘘なのかは分からなかった。



















『じゃあ、学校に行ってきます。』










私は偽りの笑顔で言った。













『もうそんな時間なのね…。行ってらっしゃい』









響のお母さんは、どこか寂しそうな声で言った。












『お母さん、学校少し遅れる。ちょっと、涙が止まらなくて……ごめんなさい。涙が止まったら、すぐに行くから』











私は周りに誰も居ないのも確認して、お母さんに電話をした。












『大丈夫なの?とりあえず、学校に伝えておくわ』











『うん、お願い』










私はそう言い、電話を切った。












そして、私は隠れた。












赤い車はあの駐車場から動かない。












これから何かあるのかもしれない。















そう考えていると、もう一台赤い車が来た。












その赤い車は最初に止まっていた赤い車の隣に止まった。









その後、両方の赤い車から人が出てきた。












私はその会話を聞いていた。










車の下に盗聴器を付けておいたのだ。












「これが報酬の百万です。」





響のお母さんの声だ。










「確かに受け取った。また、何かあれば頼めばいい。」










聞いたことの無い声。












「じゃあ、早速だけどお願いします。殺して欲しいのは、×××。百五十万払うわ。」







私は×××を聞いた瞬間、絶望した。













「我ら、APEPに任せてください。では」











そして、後から来た赤い車が去って行った。







私は驚きで数秒固まっていた。








APEPに響は殺されたってことだよね……?

















APEPとはAbility person elimination partyを短縮したものだ。









意味は能力者排除隊。






















響のお母さんは自分の子供を殺すように頼んだっていうのか?










何で、何で、何で殺す必要があった?









私は疑問で溢れ返った。







その時だ……!









メールの通知音が鳴り響いた。











私はすぐに送られてきたメールを開いた。









差出人はAPEP。



こんにちは。
君は乙坂 未優だね。
覚えているかな?
本物の奏だよ。
ちなみに響もいるよ。
死んだことになってるけどね。
うちも響も。
響に会いたいなら、そんな能力捨ててAPEPにおいで。
もし、来ないならうちはもう知らないよ。
来てくれるなら、今日の夕方四時にあの公園で待ってるよ。
来てくれないなら、未優は三日後に死ぬよ。
信じてるよ












私は送られてきたメールを信じなかった。










こんなの誰でも書ける。












私は信じない、きっと嘘だ……。










響は死んだ。










奏も死んでいる。












生きてるはずがない。









響に限っては、死んでいる所を見たんだ。











この目でしっかりと。










でも、何でだろう。












嘘だと分かっているのに、何故か透明な物が溢れてきてしまう。


























































プリ小説オーディオドラマ