第8話

▶︎ 教えて ー 2:19
1,765
2020/07/25 03:31









ねぇ、思い返してみて思ったんだけどさ、




長年一緒にいて
大学まで一緒になった親友ポジのキム・ジョンウ。





私あんたのことなんにも知らないんですけど.......







でも私は密かに好意を寄せていてですね。





そんな好きな人のことなんにも知らないんです。






ジョンウ、私のことは沢山知っているのに。








『 何ぼーっとしてんの? 』



「 はぁ....... 」



『 おーい、あなた? 』




「 はぁ~....... 」



『 あなた! 』



「 はいっ 」








あぁ、なんだ、ジョンウか.......






ジョンウ?!





『 ほぼ魂抜けてたけどなんかあったの? 』




「 教えて! 」




『 ん?なんか講義で
わかんないことでもあった? 』



「 教えて欲しいの! 」



『 だから、 』




「 ジョンウのこと! 」





『 はい? 』






講義のことでわかんないことの多さより
ジョンウのことでわかんないことの方が多い。





それに好きな人だもん。
知りたいと思うでしょ、たくさん。







「 だってジョンウは私の事
沢山知ってるじゃない。

誕生日も血液型も身長も兄弟の有無も
家も全部知ってるのに! 」




『 え....... 』




「 だから教えて欲しいの!ジョンウのことも! 」




『 いいんだよ、
俺があなたのこと知ってるだけで 』




「 それじゃ私がダメなんだよ! 」






頑なに話そうとしないジョンウ。






自分のことは話してくれたことほとんどない。






うんざりするくらい、ない。








『 とりあえず俺この後バイトあるから~ 』



「 着いてく! 」


『 え? 』




「 バイト先しらない! 」



『 ただの飲食店だってば! 』







そういうジョンウに
私は無理強いして着いていき

ジョンウのバイト先に向かった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






『 ここだよ 』




「 へ、でっか!! 」







なんかすごいとこ来ちゃった気がする。





ただの飲食店って何?






レストランなのかな?



いやなんでもいいけど凄いな.......








「 ここ私入っていいの? 」



『 いいよ~、俺の親友ってことで入ってよし 』






親友.......







あー、何落ち込んでんだ!

とりあえず今はジョンウのこと知る!!
それに集中しなさいあなた!









『 お疲れ様でーす 』




そう言って入っていくジョンウの後について行く。





てか正面から入って大丈夫なのかなって思ってたけど

全然お客さんがいない。





『 この時間帯、1番お客さん来ないんだ。』


「 へぇ、....... 」






夜の方が繁盛するのかな?






『 とりあえずそこ座ってて~ 』






ジョンウにそう言われた通り
指された席に着席する。






10分ほど経ってから、






『 ご注文お伺いします。』



「 へ? 」





とてつもなくかっこよくなったジョンウが
私のテーブルにやって来て注文を聞いた。



なんか、黒いかっこいい服きてる

お願い伝わって.......((






『 なんちゃって。
ここ美味しいの沢山あるんだよ!
高そうに見えて本当は安いし、
ほんとにおすすめ! 』





?「 俺個人的にはこれがオススメかな~ 」


?「 ちょ、ヒョン!
お客さんにフレンドリーすぎです! 」







ジョンウの横に並んだ可愛らしい見た目の2人。






.......子犬が3匹.......?





『 ちょっと~ベッキョニヒョン、ジェノ、
せっかくお話してたのに邪魔して~! 』



🐶(ベッキョン)
「 仕方ないじゃん~気になったんだから! 」



😇「 いや、でも....... 」






?「 こらー!仕事しなさい! 」





次はうさぎ.......?!





もう目眩しそう。





😇「 わ、ドヨンイヒョン....... 」


🐶「 げ、ドヨン 」


『 あなた、ごめんね 』





🐰(ドヨン)「 げ、ってなんですか!働きなさい! 」


🐶「 俺お前より4年も早く
飯食ってんだけど?! 」


🐰「 そんなの知りません! 」




え、え、え、.......




もう私ここに何しに来たのか忘れそう。







🐰「 すみません家の子犬たちが....... 」


「 い、いえ! 」


『 ヒョンお母さんみたい~笑 』



🐰「 こら。
ジョンウの友達か? 」


『 はい! 』



🐰「 それに見た事ない顔だから初来店だね。
今回はジョンウの友達ってことで
俺の奢りにしてあげましょう。

ジョンウも、お客さん沢山来るまでは
少しこの方の席でやすんでろ。」




『 え、いいんですか?! 』






このうさぎさん優しい.......!






🐰「 おう。
俺はベッキョニヒョン叱ってくるから~ 」





そう言って離れていったうさぎさん。






あ、ベッキョニヒョンさん?が
ニコニコしながらうさぎさんになんか言われてる。






🐶 { ねぇあれジョンウの彼女かな?笑 }

🐰 { 今はそれが大事じゃない! }

🐶 { ちょっとドヨンア落ち着いて!笑 }







『 あれ店長さん 』



「 へぇ.......え、うそだ!! 」







どうやらニコニコと笑うベッキョニヒョンさんが
ここの店長さんらしい。




だいぶ若いよなぁ.......







いや、違う違う!


ジョンウに聞きたいことたっくさんあるんだよ!







「 ジョンウ!教えてってば! 」



『 何教えればいいのさ~ 』




「 えっと、.......ぜ、全部! 」



『 範囲広い!何から教えればいいかわかんないよ 』




「 じゃあ....... 」






あれ、私何知りたい??

全部は全部なんだけど
範囲広くて何から聞けばいいか
自分でもわかんなくなってきた.......






『 そもそもどうして俺のこと知りたいの? 』




「 え、」





そんなの言えないじゃんか、
好きだからなんて。






「 し、知りたいからだよ! 」


『 だからなんで知りたいのって聞いてるじゃん 』




「 えっと、う、....... 」





🐶「 好きだから~!...なんつって 」




「 は?! 」




🐶「 おっう怖い~ 」






だって図星だもん!!





🐶「 お水渡すの忘れてたから来たよ~ 」







私はさっきの衝撃で立ち上がって
今も尚ずっと立ったままだ。






『 あなた座りなよ笑 』


🐶「 ごめんね驚かせて! 」






の割には楽しそうなんですけど.......







ベッキョニヒョンさんがお水を机に置いて
ごめんね~ともう一度謝ってから
いなくなっていった。





『 ね、あれほんと? 』



「 なにが? 」






『 俺の事好きだから、
俺の事そんなに知りたいの? 』





な!!


なんだこいつ!!!







「 な、なわけないじゃん?! 」



『 そっか~、残念。 』






残念なんて、
期待させるの良くないよ、ジョンウ。






「 残念とか言うな.......っ 」




『 ん?もう1回言って! 』



「 な、なんでもないよ 」





『 そっか 』






なんとなく気まずい雰囲気になった私たち。








また聞くことも、なんにも出来なくて
私は俯いて口を噤んでいた。






ブブッ






そうしていると震える携帯。







こんな時に、誰から.......









表示されているメッセージは











ジョンウ: キムジョンウ
1998年2月19日生まれ
血液型はAB型
身長は180cm
姉がいて、食べることが大好き
特に寿司好き奢って





目の前にいるジョンウから送られてきた
自己紹介の文だった。




なんで?どうして?




だってそんな急に.......






私の知らないジョンウの情報が
沢山詰められている。





私が嬉しくて口元に手をやった時、






ジョンウ: あ、あと好きな人いる







そんな文が送られてきた。







私の嬉しさなんて一瞬でなくなって
好きな人いる、って事実に次は泣きそうになる。






ジョンウ、好きな人いたんだ






自惚れちゃうけど、
私以外の女の子と話しているとこなんて
見たこと無かったから

好きな人なんて居ないと思ってた。





でも女の子と全然話さないわけじゃない
話しかけてくる女の子がいたから、



話しかけてくる女の子の中に
タイプな子でもいたんだ。






目の前のジョンウにスっと視線を移すと

下を向いて携帯をいじってる。






その好きな子と連絡でも取ってるのかな。






ジョンウ、私嫉妬深いんだよ
ヤキモチたくさんしちゃうんだよ



ジョンウがその子好きになるよりきっとずっと前に、
私の方が先にジョンウのこと好きになったのに。





結果叶わないなんて。








ジョンウ: 何か勘違いしてませんか?







目の前にいるのに、
会話すればいいのに


ジョンウは話しかけてこないで
カトクで話し続ける。






勘違いなんてしてないよ




ちゃんと分かってる







ジョンウ: 勘違いしてるよ。








「 なんなの、なにさ.....! 」







『 俺がほかの女の子好きとか
そんなありえない勘違いしてないよね? 』




「 は.......? 」





『 俺の眼中には昔から今まで
あなたしか写ったことないのに
ほかの女の子好きになるわけないでしょ。』





もうジョンウが何言ってるか分からない。







『 自分のこと今まで教えなかったのは
俺があなたのこと知ろうとすることで
俺の頭いっぱいだったのと、
別に話さなくてもいいかって思ってたから
自分のこと話さなかったの 』



それに関してはごめん、と謝るジョンウ。






全然状況が呑み込めないもん

何事ですか、これ







『 もう、ちゃんと俺の話聞いてる? 』






「 き、聞いてる! 」



『 じゃあなんて話してたか言ってみて 』







そ、それは.......





「 む、むり ! 」




『 聞いてなかったんじゃん~
次は1回しか言わないから!
これはちゃんと聞いてよ?』




「 は、はい!わかったから早く!! 」







ジョンウは机に身を乗り出して
私の目を見ていった。






『 好きだよ。
昔から今まで、ずっと。』






「 じょ、ジョンウ....... 」






『 お返事どーぞ 』




「 私も好きです....... っ 」



『 知ってた 』





知ってた?!




せっかく感動的な感じだったのに
私がジョンウのこと好きだって
ジョンウ本人は知ってた?!




え、え?!






「 ま、まじ? 」



『 当たり前じゃん。
わかりやすいんだもん笑 』




まじか.......







『 てことで、これからもよろしくね 』







そう言ってヘラっと笑ったジョンウ。




そんな私たち二人の間に
ベッキョニヒョンさんとジェノくん?が
私たちのとこにケーキを持ってきてくれた。





お幸せに、とドヨンさんも祝福してくれた。






『 なんか結婚したみたい。

これからが凄い楽しみだね。 』





笑ったジョンウの沼に
私は今まで以上にズブズブとハマっていくのであった










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