亜嵐 side
だよな!っていつも協力的な最年少。
はぁ…
あの時、あなたちゃん止めとけばよかった…
こんな誤解を招いてしまい、絶賛取り調べ中。
それから、メンさんと涼太も来て全員合流。
みんなお酒も結構入ってきて言いたい放題。
も ~ 。
今日も部屋の中を荒らされる覚悟。
メンさん…
止めてくれてるのは有難いんだけど…
実際、メンさんも信じてんじゃん ~ 。
俺もコップに注いだお酒を飲む。
はぁ…
風邪大丈夫かな…
こんな状況で何考えてんだ俺。
ぼーっとお酒を飲んでいたら目の前に涼太。
俺より年下なのにしっかりしてて人のことを
しっかり見てる涼太の性格は羨ましい。
それに、王子みたいな顔してよ ~ …
モテるに決まってるし。
涼太の指さすほうを見ると酔いつぶれているアダルトチーム。
俺のソファーの上に大きな体の3人。
龍友くん
裕太くん
メンさん
も ~ 、今日は泊まりだな。
それに対して隼と玲於は仲良くなんかしてるし…
しかし、GENEの年下はしっかりしてんなぁ。
椅子から立って寝室のクローゼットに布団を取りに行く。
いつ泊まられても困んないようにちゃんと置いてる。
さすが、俺。
戻ろうとするとベッドの
布団に使ってまだ新しいにシワがついていた。
あなたちゃんの居た面影がまだ残ってるようだ。
しっかり、シワを伸ばした。
3人で仲良く寝ている上に薄い布団をかけてあげた。
すると、隼と玲於が俺らの横の椅子に来て座った。
完璧、酔っている玲於。
呂律もおかしくなってる。
可愛い子
って…やっぱり玲於の目にもそう映っているんだ。
もう、否定するのも疲れた。
涼太の肩をぽんと叩くと
リーダー苦しめちゃ駄目でしょ。
って。
はぁ…よかった、GENEに涼太がいて。
信じてんじゃん。
涼太を見送ってリビングに戻ると
玲於が隼に話している声が聞こえた。
影から聞くようになってしまい嫌な気がしたが
リビングに戻る気もなくここに留まった。
あの玲於が…?
女に興味を持つ…?
考えられなかった。
予想もしてなかった。
その後の玲於の言葉を聞くのが何故か怖くて
そうやって二人の会話を強制終了させた。
その時に、玲於と目が合って何かを言うかのような
目付きで俺を見つめてきた。
けど、すぐ逸らした。
俺の訳分からない焦りなどを知る由もない玲於は
何気ない顔で俺に訪ねる。
二人はただ仲良いだけ。
寝ることなんて当たり前だから大丈夫。
俺の寝室に入っていった。
俺は今、驚いている。
玲於が女に興味を持ったということ。
今まで一切そういう素振りは見せなかった。
龍友くんや裕太くんが彼女欲しいって喚いていた時も
んなもの、要らねぇ。
って誰よりも拒絶していたから。
一目惚れ…?
あの時、あの一瞬で…?
まさか…ね。
ただ、タイプなだけで好きとは…言ってない。
いや…違う。
深夜1時。
一人でゴクッとお酒を飲む。
行かせなきゃよかった。
今日の俺は変だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。