第11話

気づいた時
1,936
2018/12/30 14:23
亜嵐side
今日はジェネ高の収録があり一日中スケジュールは


パンパンに詰め込んである。
けど、あなたちゃんに玲於のことを確認したくて


つい足を運んでしまった。


一番乗りだったのか他にお客はいなくて


明美さんともう1人男性が話していた。
吉口 明美
あ、亜嵐、どうしたの?こんな早くに。
白濱亜嵐
明美さん、あなたちゃんいますか?
吉口 明美
あなた?いるけど…呼んでくるね。
お願いします


と、頭を下げて待っていた。
すると、切り替えの着いた俺好みのスカートを


ヒラヒラさせながらやってきたあなたちゃん。


可愛いなぁ。


最近、よく思う。
それから、玲於の事を聞いて俺の聞きたいことは


一件落着。


あなたちゃんにLINEのIDを渡して足早に事務所へ。
白濱亜嵐
ギリセーフ!
小森隼
あれ、どこ行ってたの?
隼が髪の毛をやって貰っている時に


鏡を通して聞いてくる。
白濱亜嵐
いや、ちょっとね。
あなたちゃんに会ってきた。


なんて言ったらまた、みんな騒ぎ出すし…
俺も髪の毛をやってもらおうと


荷物をマネージャーに渡して椅子に座る。


携帯を開いてLINEに1個の通知。


" 白濱さん、登録しました。"


その文字が画面に浮かび上がっていた時。


心がムワッてドキドキした。


「よろしくね、あなたちゃん。」


あなた「よろしくお願いします。」


こんな会話でもにやけてしまう。


まるで、俺があなたちゃんのことを好きみたい。
佐野玲於
よろしくお願いします…ね。
誰かと思いきや玲於も遅刻気味でやってきた。


たまたま、俺がドア付近で座っていて見られたんだ。
白濱亜嵐
うるせぇ。
佐野玲於
もう、彼女なの?
白濱亜嵐
ば、バカ!声!
小森隼
え、亜嵐くんまたあの子と関わってるの?
ほらほら、隼声でかいからみんなに伝わっちゃうんだよ!
玲於を睨めばニヤニヤして


やべー。


って逃げてくし…
中務裕太
亜嵐くん、あの子と順調なん?
数原龍友
俺らにももう一回会わせてや。
白濱亜嵐
だから、ただの友達。
佐野玲於
彼女にしたいと思ってるだけ。でしょ。
あとから変な言葉を付け足す玲於。


そりゃ、邪魔はしたくなるかもしれないけど…
小森隼
玲於、どうしたの?
佐野玲於
何が…
小森隼
いや、不機嫌だなって…
佐野玲於
別に…
ちょっとトイレって出て行った。
関口メンディー
玲於の事だしあるあるだって。
小森隼
まぁ、そうだけどさ…
隼にはずっと過ごしてきた隼だからこそ分かる


何かがあるんだろうなって勘づいた。
数原龍友
亜嵐くんはどうなん?
白濱亜嵐
何が?
数原龍友
その子のこと好きなの?
白濱亜嵐
別に…
数原龍友
否定出来んのか?
白濱亜嵐
そうじゃない。
まだ、出会ってちょっとしか経ってないから


友達という枠で仲良くしたいと思っているだけ。
数原龍友
どうせ、玲於も好きなんやろ ~ な。
小森隼
え!?
数原龍友
見とってわかるやろ ~ 
この男ただの下ネタオヤジじゃなかった。


隠された才能が秘められている。
マネージャー
もうすぐ行きます!
そろそろバスへお願いします。
みんな


は ~ い


ってゾロゾロと部屋を出ていく。
その中でも玲於はまだ戻ってきてない。


待っててあげるか…
佐野玲於
あれ、亜嵐くんなんでいるの?
白濱亜嵐
玲於待ってた。
そういうと、え?って顔で準備し出す。
佐野玲於
なんか、ごめんなさい。
白濱亜嵐
え?
佐野玲於
俺、嫉妬しました。亜嵐くんに。
佐野玲於
あなたちゃんとLINE交換してて
これから仲良くなったりするのかなって…
白濱亜嵐
いや…そうとは限らないし…
俺だって…嫉妬した。
佐野玲於
え?
白濱亜嵐
玲於だけ下の名前で君付けで…
敬語じゃないし…タメだったから。
佐野玲於
それって…好きじゃん。
白濱亜嵐
え?
佐野玲於
はいはい、皆さ ~ ん!
認めましたよ!亜嵐くん!
急に大声を出すと思いきや


ドアの向こうから


やっとか。


認めよったわ。


とか聞こえてきてドアが開いた。
白濱亜嵐
なんでいるの?
佐野玲於
さぁ、コソコソ聞こえたからいるのかなぁって。
玲於、ガチで知らなくてここまで出来るなんて…


流石、警戒心の塊。
白濱亜嵐
え!みんないたの!?
数原龍友
俺らがそんな中途半端な会話のまま
バス乗るとか思っとんなよ!!
中務裕太
解決させへんと気が済まへんからな!
行くで ~!


って同い年コンビを先頭にバスへ向かった。
俺は、ちょっとビックリして放心状態。
佐野玲於
ほら、亜嵐くん。行くよ。
俺の肩をトンと叩くと先にバスへ走っていった。
白濱亜嵐
お、おう…
玲於に言われた数秒後に返答。


ここでけ時差ある。
白濱亜嵐
す…好き…?
みんなに言われて俺は恋をしてしまったんだと


気づかせられた。
あの、友達にも満たさないほどの関係。


出会いは" 最悪な出会い " だったけど…


俺は確かに

























あなたちゃんに恋をした。



















それを頭で浮かべた途端、さっきまでなかった


体の熱が真から燃えてきたように熱い。
白濱亜嵐
やべっ…
絶対、顔赤い。


バスバス!


行かないと…
また、みんなに怒られる。
けど、玲於はどうなんだろう。


俺にあなたちゃんが好きってことを気づかせて


何がしたかったのか。
やはり、玲於の心はこの先ずっと読めないかも。

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