亜嵐side
今日はジェネ高の収録があり一日中スケジュールは
パンパンに詰め込んである。
けど、あなたちゃんに玲於のことを確認したくて
つい足を運んでしまった。
一番乗りだったのか他にお客はいなくて
明美さんともう1人男性が話していた。
お願いします
と、頭を下げて待っていた。
すると、切り替えの着いた俺好みのスカートを
ヒラヒラさせながらやってきたあなたちゃん。
可愛いなぁ。
最近、よく思う。
それから、玲於の事を聞いて俺の聞きたいことは
一件落着。
あなたちゃんにLINEのIDを渡して足早に事務所へ。
隼が髪の毛をやって貰っている時に
鏡を通して聞いてくる。
あなたちゃんに会ってきた。
なんて言ったらまた、みんな騒ぎ出すし…
俺も髪の毛をやってもらおうと
荷物をマネージャーに渡して椅子に座る。
携帯を開いてLINEに1個の通知。
" 白濱さん、登録しました。"
その文字が画面に浮かび上がっていた時。
心がムワッてドキドキした。
「よろしくね、あなたちゃん。」
あなた「よろしくお願いします。」
こんな会話でもにやけてしまう。
まるで、俺があなたちゃんのことを好きみたい。
誰かと思いきや玲於も遅刻気味でやってきた。
たまたま、俺がドア付近で座っていて見られたんだ。
ほらほら、隼声でかいからみんなに伝わっちゃうんだよ!
玲於を睨めばニヤニヤして
やべー。
って逃げてくし…
あとから変な言葉を付け足す玲於。
そりゃ、邪魔はしたくなるかもしれないけど…
ちょっとトイレって出て行った。
隼にはずっと過ごしてきた隼だからこそ分かる
何かがあるんだろうなって勘づいた。
まだ、出会ってちょっとしか経ってないから
友達という枠で仲良くしたいと思っているだけ。
この男ただの下ネタオヤジじゃなかった。
隠された才能が秘められている。
みんな
は ~ い
ってゾロゾロと部屋を出ていく。
その中でも玲於はまだ戻ってきてない。
待っててあげるか…
そういうと、え?って顔で準備し出す。
急に大声を出すと思いきや
ドアの向こうから
やっとか。
認めよったわ。
とか聞こえてきてドアが開いた。
玲於、ガチで知らなくてここまで出来るなんて…
流石、警戒心の塊。
行くで ~!
って同い年コンビを先頭にバスへ向かった。
俺は、ちょっとビックリして放心状態。
俺の肩をトンと叩くと先にバスへ走っていった。
玲於に言われた数秒後に返答。
ここでけ時差ある。
みんなに言われて俺は恋をしてしまったんだと
気づかせられた。
あの、友達にも満たさないほどの関係。
出会いは" 最悪な出会い " だったけど…
俺は確かに
あなたちゃんに恋をした。
それを頭で浮かべた途端、さっきまでなかった
体の熱が真から燃えてきたように熱い。
絶対、顔赤い。
バスバス!
行かないと…
また、みんなに怒られる。
けど、玲於はどうなんだろう。
俺にあなたちゃんが好きってことを気づかせて
何がしたかったのか。
やはり、玲於の心はこの先ずっと読めないかも。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!