メンバー全員黙ってしまった。
おーい、亜嵐くんはどーしたー?
隼は直ぐに連絡して明日の夜待ち合わせするらしい。
俺も負けてらんないしそろそろ頑張ろう。
隼も告白したと聞いた翌日、あなたちゃんちに来ていた。
どうして来る時は迷わないのに帰る時は迷うんだろう。
そんなことを考えながらチャイムを鳴らした。
sideあなた
ピンポーンッ
こんな時に誰だろう?
今はGENERATIONSさんがテレビにでてて手が離せないんだけど?
でると玲於さんだった。
玲於さんが入って鍵を閉めると急いでリビングのテレビのまえに座った。
玲於さんが来てることも忘れてすっかり楽しんでいた。
めっちゃ恥ずかしかった。
「きゃぁー!!」
テレビから聞こえる女性の黄色い声。
その女性たちの視線の先にはGENERATIONSさん。
玲於さんは出ていった。
私はなにを迷っていたんだろう。
相手はテレビの中の人。
手の届かない人なんだ。
ほかのみなさんにも
そう言って断った。
私もどうかしていたんだ。
それからも連絡がきたり家にきたりしたけど全部無視し続けた。
だけどあの、玲於さんの悲しそうな顔は忘れられなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!