カナヲちゃんは炭治郎くんの眠る隣に座っていた。
どうやら眠りから覚めるのを待っているらしい。
…………まさか。
必死に否定する姿を見て、なんだろう。
凄く分かりやすいな。
まぁ…両方とも気付いていなさそうだが。
そこは私が言うことではなさそうだね。
と、私のおすすめの栗羊羹を置いておく。
いや、好きなものとか分からないからね。
何をしに来たんだとも言わんばかりの顔で、
いや、そうだよね。
柱である私がわざわざ任務復帰して、
こんな隊員のところに、ただお見舞いなんて。
いや、ほんと。随分変わったものだよ。
人の成長って見ると染々親心芽生えそうだね…。
会って話し掛けても、笑顔で無言だったし。
今じゃ色んな表情、言葉を話してくれる。
きっと心境に何か変化があったのかな。
それなら、今なら。
おっと、少し意地が悪かったかな?
窓を開けて、空を見る。
今でも、彼女のことは鮮明に思い出せる。
『どちらかが死んだ時』
何も言えない、って感じだね。
目が潤むのも分からなくないさ。
気付くと入り口にしのぶちゃん。
まさか聞かれてたとはね。
気配消されちゃ困るんだが?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。